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新人戦準決勝 韮 崎 - 駿台甲府

新人戦準決勝 韮 崎-駿台甲府

 

結果

2月4日 土 13:30キックオフ 山梨学院和戸G

韮 崎 2-0(0-0)駿台甲府

 

準々決勝、準決勝の連戦を想定してなのか、ターンオーバー的に、昨日のスタメンを大幅入れ替えして臨んだ駿台甲府戦だった。ピッチに立つ選手でフレッシュな選手は5人。DF1人、前線の選手を4名入れ替えた思い切ったスタメンだった。これと言った特徴のある選手が少ない韮高で、どちらかと言うと、誰が出てもそれなりのプレーができる粒そろいの選手が並んでいると言った感じである。層が厚いと言っていいのかは分からないけれど、試合内容からする限り、昨日の航空戦のメンバーよりはマシだったような気がする。マシだったとはいえ、相変わらずゴールは遠く、シュートが少ない中途半端に終わってしまう攻撃なので、見ていてワクワクするシーンは極端に少なかった。昨日と同様、見せ場の少ない試合だった。

 

攻撃に厚みのない駿台だったので、間違っても点を奪われることはないと思っていて、早々と点を取り試合を決めたかった。けれど駿台のゆるやかなボール回しと単発なロングボールに付き合ってしまい、前半は0-0での折り返しとなった。ゴールの匂いはまったく漂わなかった前半だった。

 

後半も同じようなボールが行ったり来たりの蹴り合いの展開が続いた。韮高のFWの個の力で、GKとの1対1になるもコースを狙ったシュートはポストに当たってしまった。後半も半分を過ぎたあたりで、韮高にラッキーな点が入った。ペナのかなり前で、サイドチェンジをしようとした低いライナー性のパスがDFに当たり、高く上がったボールはGKの頭を越えきれいな放物線を描き、そのまま駿台ゴールに吸い込まれていった。点が入ったというより、点が入ってしまったといった会場の雰囲気だった。駿台はその失点があってから、ベンチ、ピッチ内と意気消沈してしまっていた。ここがチャンスだったけれど、韮高は畳み込む攻撃ができなかった。30分を過ぎたあたりで、韮高が決定的な2点目を奪った。左サイドからのロングキックはサイドバックの頭を越え、スペースに走り込んだ韮高が、GKとの1対1から見事にシュートを決めきった。シンプルかつきれいな展開からの文句なしの得点だった。

 

航空戦も駿台戦も、韮高の選手に感じたことは、非常におとなしいということである。僕が感じるおとなしさは、球際はもちろん試合が一時中断しているときの選手間のコミュニケーションだったり、チーム1つとなって勝利を目指す熱量が足りないと感じてしまうところである。これは監督やベンチ云々というより、選手の内から湧き出る部分だと思っている。もっとピッチから勝ちたいと思う雰囲気が伝わってくるのだけど、今年はそのような「気」は薄いような気がする。ピッチ内で選手を鼓舞する声や、苦しい時にかけ合う声や、勝利を目指すための厳しい声だったりの類は、ほとんど聞かれない。森の中にいるような静まり返ったピッチになった時が何回もあった。今年のチームはそういったスタイルのチームだと割り切ればそれまでで、人間臭さみたいなものは身近にはないのかもしれない。

 

いずれにせよ、パッとしない試合内容とパフォーマンスで、2年連続で決勝まで駒を進めた。何が起こるか分からないのがサッカーなので、山梨学院との決勝を楽しみにしたい。何も起こらなければ苦戦するだろうし、何かが起きれば韮高に勝利が近づく。何かを起こせる力は現在の韮高には備わっている。