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新人戦準々決勝 韮崎-日本航空

新人戦準々決勝 韮 崎 - 日本航空

 

結果

2月3日 土 13:30キックオフ グリーンフィールド穂坂

韮 崎 0-0(0-0)延長0-0(0-0)日本航空

PK11-10

123456789101112

〇〇〇✖〇〇〇〇〇〇〇✖

〇〇〇✖〇〇〇〇〇〇〇〇

 

当事者同士が見れば、白熱した試合だった。第3者から見れば、それほどレベルの高い試合ではなかった。試合を通してゴール前の攻防は少なく、よってシュートで完結する攻撃はなく、すべて中途半端な攻撃だった。ファーストタッチのミスが多く、キックの精度はお世辞にも良いとは言えず、攻撃のリズムは良くなかった。新人戦の頃はこんなものなのかなと、両チームのプレーを見て思ってしまった。

 

僕はセットプレーで航空が勝つのではないかと思って見ていた。韮高が勝つとしたらPKだろうと思っていた。決定機は後半の韮高の1つだけで、ゴールを脅かすプレーは、それ以外はほとんど見られなかった。こういった試合経験も必要だろうと思う反面、チームとして機能するまでは時間がかかる印象を受けた。またPKで勝ち進んだとはいえ、この勝利に一喜一憂していては、全国ははてしなく遠いものとなることを自省しなければならない。

 

選手個々を見れば、明らかにパフォーマンスが上がっていない選手がいた。がっかりするほど貢献できていない選手がいる一方で、成長を目に見て取れる選手が何人かいた。プレーそのものでチームを引っ張る姿や、スペースを消す絶妙なポジショニングができる選手が見れたことは良い兆しだった。気持ちを前面に出してプレーする選手はいないものの、組み合わせによっては面白い化学反応が起こる良いチームへと変化できるポテンシャルを感じることができた。

 

航空先行で行われたPKは、1巡して12人目で決着のつく見応えのあるPK戦だった。韮高としては、(記憶が正しければ)人工芝になってからのGFでの公式戦初のPK戦であるように思える。韮高は延長後半に、PK戦に備えてGKを代えてきた。航空4人目がクロスバー直撃、韮高4人目はGKにセービングされた。サドンデスでなかなか決着がつかずにまた1人目からとなり、航空12人目が大きく枠を外し、韮高が冷静に決めて決着がついた。

 

PK戦では、関心したというか、韮高生の良さというか、高校生らしくないというか、冷静で思い切りの良いキックが見れたことは驚きだった。とくにサドンデスに入ってから、韮高は真ん中に3回、パネンカ1回と、良い意味での緊張感の中で選手1人1人が冷静さを保ち、自らをコントロールできていたことは、これからに期待できる。良い方向へと自らを自らで導くことは、なかなか難しいことである。

 

目指すべき韮高サッカーの姿には程遠い現在地である。けれど、目指すべき姿には到達することが必ずできる。そう信じて地道にトレーニングを積み重ねることしか道はない。まだレギュラーが決まった訳でもなく、誰にでもチャンスがある。チームとしての伸びしろは大きく残されている。