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ユースリーグ第11節 韮 崎 - 駿台甲府

ユースリーグ第11節 韮 崎 - 駿台甲府

 

結果

9月2日 土 17:15キックオフ 日本航空

韮 崎 1-0(0-0)駿台甲府

 

夏に力をつけたであろう韮高が、どれくらいのチーム力で駿台を圧倒するかを期待して観た試合だった。期待は予想通り外れ、予想通り良い勝負となった。

4月の前期ユースリーグでは、ラストプレーで得点しなんとか勝負強さを見せた韮高だった。そして今回もラストプレーのセットプレーでゴールを奪い、そのまま試合終了となった。同窓会の清水東戦に続き、劇的な結末となったとはいえ、やはりしっかりと勝ち切る試合が見たかったのが正直な気持ちである。

 

韮高のシュートは前半に2本。ビックチャンスだったのに、大きく枠を外れたシュートとなった。後半はシュート0。駿台相手に枠内シュート0で終わってしまうのかな、これも凄い記録だな、と選手権の行く末を案じていたら最後の最後で決めてしまった。枠内シュート1本で1点の試合はなかなかできるものではない。昨年のインターハイでの韮高-駿台の逆デジャブだった。

勝負強さ、粘り強さという面からすれば、韮高はしぶとい。勝利への執念を感じることができる。最後まで諦めない姿勢は今後も続けて欲しい。全てのプレーは選手権につながっている。そのような側面では、駿台は韮高をまだまだ追い越せないと確信した。

 

駿台のサッカーは、イライラするほど意味もなくDFでボールを回す。意味があるとすれば、ゴールを目指すプレーをしていないということと、相手をイライラさせるという2つだけである。「こいつら勝ちたいのかな~」と何度も思ってしまった。見ている僕がイライラするくらいゴールを目指さず、つまらないサッカーの連続である。GK参加のボール回しでは韮高を苦しませることができても倒すことはできない。相手エリアでのボール回しに付き合った韮高であったけれど、クレバーな韮高の選手は最後までイライラせず、ボールに喰いつくことはなかった。前線の選手はボールに無暗に飛び込まず、犬のようにボールを追いまわすことはなかった。おそらくそれが韮高の作戦で、縦パスを入れた時に狙いを定め、球際の強さで駿台の攻撃を押さえた。ただ韮高はボールを奪った後のパスの精度と攻撃コンセプトがあいまいだったために、相手DFもそれほどうろたえることはなかった。中盤の数的優位を保ち、縦パスの時は全力でボールを奪いに行くプレーに徹底していたので、駿台の攻撃はそこで終わっていた。集中力を高く維持した我慢のディフェンスが試合を通じてできていたので、失点は心配なかった。駿台の戦術はタネの分かった手品を見ているようで、(個人的なサッカー観では)まったくもって飽き飽きする。

 

耳障りだったのは、山梨県ではすでに有名になってしまった駿台甲府の(ファンなのか保護者名なのか分からないけれど)スタンドだった。観戦マナーという言葉は知らないのか、駿台甲府の名前を汚していることなど気にしていない様子だった。駿台のイメージは一気に下がってしまっていることを理解していない。ユースリーグに始まり、県総体、インターハイと観戦マナー最悪の高校の汚名は当分続くのだろうか。一緒に見ている方々も注意できないようでは同類である。選手権でもあんななら一生懸命な選手がかわいそうでならない。

 

良い時間帯での得点、流れからの得点は奪えなかった韮高ではある。それでもなお選手権に向けて山梨県の代表に1歩1歩近づいていることは間違いない。みんなで選手権を獲りにいくという気概をもって、全力で闘ってもらいたい。

 

変化のない自己満足のボール回しを見ていると、刻一刻と移り変わる空と雲があまりにもきれいで、しばし夕暮れから帳が下りるまでの時間を愉しんだ。