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風に向かえ 韮崎サッカー

風に向かえ 韮崎サッカー

 

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韮崎市サッカー協会が主催する「夢の応援プロジェクト」企画で、恩師横森巧監督の講演会が開催される。山梨学院サッカー部の総監督であり、韮崎市民栄誉賞を受賞している横森監督の話が拝聴できることは、とてもありがたいことである。講演の題目がなんとも良いと感じるのは僕だけだろうか。「風に向かえ 韮崎サッカー」から喚起されるイメージは、必然的に韮高サッカー部と結びつく。

 

「風に向かえ」というメッセージは何を暗示し、その風はどこから吹いてきて、どこへ向かう風なのだろうか。八ヶ岳おろしでこの身を鍛える風なのか、心地よい優しい風なのか、古い風なのか、新しい風なのか・・・。風の色は、風の匂いは、物理的な風なのか、精神的な心の中に吹く風なのか・・・。風とサッカーを絡めると、さらに奥深いものになるような気がする。風に向かう韮崎サッカーの風景とはどのようであるべきなのか。高い感受性をもって話を訊いてみたい。

 

韮崎はサッカーに夢託す人が多い。そしてそれは間違ったことではない。閉塞的な世の中の中で、サッカーの力に想いを託し、地域の原動力となるサッカーは、韮崎のまちにとって必要不可欠である。

行動規範の中に(無意識に)サッカーが組み込まれている者は、絶対に拝聴すべき講演である。

 

 

ユースリーグ第3節 韮 崎 - 東海甲府

ユースリーグ第3節 韮崎-東海甲府

 

結果

4月17日(土) 10:00キックオフ 東海甲府

韮 崎 4-0(1-0) 甲府

 

韮高にとって大きな意味のある1勝だった。小泉新監督にとっても、選手にとっても、新生韮高にとっても明るい未来に大きく前進した。動き出すには大きなパワーが必要になり、そう簡単には思うようにはいかないものなのだなと、初勝利後に思った。

 

辛口にはなるけれど、手放しに勝ったと喜ぶには物足りない内容だった。試合を通してほぼ一方的に攻めながら、ゴールが遠い印象があった。前半は1-0。先制点を奪ったとはいえ、ようやく入ったかという感じが強く、その後も追加点が奪えず、攻撃時の課題が多く残った。

後半は試合開始早々、クロスが直接ゴールを割るラッキーな得点で、楽な試合運びとなった。甘い見方をすれば効果的に追加点を奪い、東海の戦意をなくしていったとなる。3点目はセットプレーから、4点目はミドルが決まった。とはいうものの、CKの多い割にはもやもやする攻撃だったし、後半10本以上のシュートを放ちながら枠内シュート率は首をかしげざるを得ない。

前後半を通して、決定機を決めきれない決定力は早急に改善しなければならない。トーナメントを勝ち抜くにつれ、決定機は何度も訪れない。1回の決定機しかチャンスがない試合だってある。その1回を決めきれば、勝負強いチームになる。

 

攻撃に関して言えば、相手が脅威となるプレーがなかったことと、相手が嫌がるプレーも少なかった。韮高の攻撃は、東海にしてみれば何とかしのげなくもないと思える攻撃だった。どちらかというと迫力に欠ける攻撃で、連続とか厚みは生まれにくかった。要因としては、攻撃ONのスイッチが選手個々で共有されていないことで、単発な攻撃となったことである。ボールに関わる選手が限定され、攻撃時のチーム全体の運動量はそれほどでもなかったように思える。そのため攻撃の選択肢が限定され、何か起こりそうな要素はかなり少なかった。

 

もちろん悲観している訳ではなく、今後韮高がさらに強くなるには絶対に伸ばさなければならないと思われるからである。後半は交代選手が何人も入り、その選手がしっかりと得点を奪ったことは素晴らしい。チーム内の活性化と試行錯誤が今後も続くと思われる。

自分を信じ、仲間を信じ、監督を信じサッカーをすることで、上達し、強くなる。日々の全力と継続、チャレンジの連続と、失敗しても持ち続ける前向きな気持ちは絶対に忘れてはいけない。

 

 

生きることは呼吸することではない

行動することだ

ルソー

ユースリーグ第2節 韮 崎 - 甲府商

ユースリーグ第2節 韮崎-甲府

 

結果

4月10日(土) 10:00キックオフ GF穂坂

韮 崎 1-3(0-2) 甲府

 

U-18サッカーリーグ2021山梨が開幕した。韮高は第1節は延期となり、第2節の甲府商戦が開幕戦となった。ホームとでもいうべき、毎日トレーニングをしているGF穂坂での試合は、年間を通じて試合数はわずかしかない。その大切な試合は記念すべきものとはならなかった。

韮高は4月より監督が交代し、新体制での初の公式戦だった。一方の甲府商は前節、航空に0-5で大敗している。甲府商も白星が欲しいけれど、甲府商よりなんとしても勝利が欲しい韮高だった。小泉新監督初采配でプリンスリーグ昇格へ向けての第1戦。一番勝利が欲しかったのは、選手より監督だったかもしれない。監督が選手、チームを勝利に導いてやれなかったというより、選手達が監督に勝利をプレゼントしてあがられなかったと言うべきだろう。勝利という形で監督を歓迎し、韮高に迎え入れることの意味を選手たちは本当に分かっていたのだろうか。

だらしがないというか締まりのないというのか、とても残念でならない。「プリンス昇格」という近年ない目標を掲げ、甲府商に挑んだ試合は、無惨にも大量3ゴールを許してしまった。昨年の選手権で敗れ、新人戦では何とか勝ったものの、ユースリーグでは3年分にもなる失点を1試合でぶち込まれてしまった。

決定機をことごとくファインセーブされ、ポストにも嫌われ、PKまでも決められないようでは、勝てる要素は見当たらない。今日は昨日までの総決算の日であり、積み重ねてきた昨日までの結果が今日である。そしてその日々の積み重ねを継続することで、良い結果を得ることができる。そのような見方をすれば、昨日までの積み重ねてきた日々の総決算である今日という日の甲府商戦は最悪だった。救いがあるとすれば、また明日が来るということである。

 

「このままでは何も成し遂げられないよ」

オシム監督は選手たちに言った。

「同じミスを繰り返さないようにしないと」。

 

県総体の組み合わせも決まり、プレーの質の向上は最重要事項である。どこか自分に妥協していないか、本気でサッカーと向き合っているか。他人のせいにしていたら、これからも成長はできなし負け続ける。サッカーが学びの場であり、自己実現の場であることをもう一度よく考える。決して暗い未来ではない(どちらかというと明るい)ので、今以上に自分を苦しめてもらいたい。まだ始まったばかりなので、何も心配はしていない。ただ残念だっただけである。

 

明るい未来と言えば、韮高の2チーム目がユースリーグの5部へ参入することになったと聞いた。念願の2チーム参加である。明るい未来でなくなんであろう。

山梨学院トップはプリンスリーグ関東で戦っている。山梨ユースリーグ1部では県内のトップのチームが終結している。ほとんどの高校のB、Cがリーグ2部以下にいる。韮高もようやく仲間入りを果たすことができた。

山梨県ユースリーグ

1部 山梨学院B

2部 山梨学院C、東海甲府B、帝京三B、日本航空B、VF甲府

3部 日大明誠B、甲府商B、笛吹B、帝京三C、日本航空

4部 北杜B、甲府工B、日本航空

5部 東海甲府C、日大明誠

多くの部員が在籍する高校で11人しか試合に出ることのできない状況は、昭和の時代ではあるまいし、異常である。試合ができる場があるのに、それを活かすことのできないのも異常である。試合をすることで選手は上達する。韮高の明るい未来に期待している。

 

カントナとカント

カントナとカント

 

サッカーについて思案する時間を持つことで、思わぬ広がりがあることがある。カントナとカントでは、サッカー仲間の中では断然カントナの方が知名度があるだろう。

カントナは90年代前半に輝きを放った伝説的なサッカー選手である。カンフーキック事件でさらに知名度は増した。数多くの記事や映像があるので僕が説明するまでもない。

サッカー選手が試合中にサポーターをマジ蹴り - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

 

王様・カントナ、「カンフーキック」事件の名言。練習相手はベッカム|海外サッカー|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva (shueisha.co.jp)

 

エリック・カントナは、僕の中で絶対に忘れないサッカー選手の1人になっている。洞窟の中で生まれたという伝説があるカントナの生い立ちだけでも、魅力を感じる。ワールドカップでフランス代表としてプレーが見られなかったので、よけいにプレーが神秘的である。

 

カントナを思い浮かべたのは、サッカーに必要な思想としてカントから何かヒントがないものかと思案していたからである。ふっと字ヅラでサッカーに戻ってしまっただけである。

 

哲学者カントは、人間の心、精神には「知・情・意」の3つがあると考えた。

知・知性、理知、思考

情・感情、情緒、心情

意・意志、意欲

子育てからビジネスまで幅広くその哲学は重要視されている。もちろんサッカーにも必要な「知情意」で、なおかつそのバランスが求められる。

「知」が大きくなると、頭でっかちで理屈ばかりを言うサッカー選手となる。

「情」は大きい方がよく、逆に小さいと心の狭い選手、人の痛みが分かりにくい選手となる。とはいえ情には様々な情があり、怒りや憎しみの情があることも忘れてはならない。

「意」は目標をもって取り組むには固い意志が必要となる。誘惑や苦しさを乗り越えるには「意」の力が必要である。その一方であまりにも強すぎると、人の意見を聞かなかったり、融通の利かない選手となりうっとおしい。

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選手1人1人は、自分にはこの3要素の中で何が1番足りないのかを考えることが大切である。戦術を理解する頭か、冷静に状況を判断する思考か、仲間を想う優しさか、目標を絶対に実現する意志か。もし壁にぶち当たっている選手や、なんかうまくいっていないなと思ったら、きっとこの3つの中の何かが不足しているのではないかと思う。

 

我が行いを見習えと、誰にでも言えるような行いをしなさい

イマヌエル・カント

『百年構想のある風景』スポーツ文化が国の成り立ちを変える

 

 

サッカー本 0080

 

『百年構想のある風景』スポーツ文化が国の成り立ちを変える

 

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著 者 傍士銑太

発行所 ベースボールマガジン社

2014年7月20日発行

 

この本はJリーグ公式ホームページに2007年12月から2014年1月まで150回連載されてきたコラム『百年構想のある風景』を加筆修正したものである。連載順ではなくコラムの内容により7章に分けられている。

第1章 百年構想のある風景

第2章 スポーツ文化を生きる

第3章 欧州に見る原風景

第4章 スタジアムの未来

第5章 国の成り立ちを変える

第6章 東京五輪 祭りのあと

第7章 街道をゆく

 

ざっくばらんにページをめくって、どこからでも読むことのできる本である。サッカーに携わってきた著者なので、サッカー人の目線から感じ、発する言葉は鋭い。サッカーという範疇にとどまらず、スポーツ界全体、またスポーツとは関わりが少ない人にとっても、取りついやすい文章となっている。

この本には一貫して「スポーツ文化と生きる市民と風景」が根底にある。そしてそれはJリーグの掲げる百年構想と思いを共有する。

暮らす地域への愛情や誇りを醸成する地域に根差したスポーツ文化には、個のチカラによって閉塞感漂う社会を変えていく強いチカラがある。

スポーツを通じて自分のまちを愛し誇りを持つことは、心のふるさとつくりにつながる。

「文化」は、ある瞬間の「イベント」ではない。連続した「日常」の中にある。

サブタイトルにある通り「スポーツ文化が国の成り立ちを変える」ほど、スポーツという存在は、大きな影響力を人間に対し持っていると思っている。オリンピックは商業的になりすぎたものの、国家的なスポーツ政策の大きな柱となっている。経済、福祉、環境政策と同様、これからさらにスポーツの存在は大きくなってくると思われる。アイデンティティ帰属意識を改めて考えさせられる本である。