ニラニスタ発・蹴球思案処

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新人戦開幕

新人戦開幕

 

山梨県の新人戦が開幕した。韮高は今週末からの登場となる。記憶に新しい昨年の新人戦は、韮高は準優勝だった。帝京三との決勝では、延長戦までもつれ、2-3で敗れた。そこから春を迎え、夏を通り過し、秋には選手権県代表となった帝三は、選手、チームとして大きく成長した。一方の韮高は新人戦が最高順位となり、右肩下がりの上を見上げることが多すぎるチームとなった。どうしてこのような大きな差が開いてしまったのだろうか。新チーム初の県大会となる新人戦を前に、自分自身のこと、チームのことを深く考え直すことができれば良いような気がする。矢印を自分に向けてしばし思案することで、小さなヒントや発見が見つかるかもしれない。

チームのこと、他の選手のことは、良いところ、特に悪いところはよく見える。敵のチームのスカウティング然り、敵の選手の特徴的なプレーも見えてくる。その一方で、自分自身については、自分の能力についても、可能性についても、認識不足であることが多い。もちろん自分のことは全て熟知しているなんて人間はいない。そして目は外を見るためについていて、自分の内を見るためではない。目に見えないもの、人の気持ち、感情や自己の内を見つめることができる人間に近づく努力をすることは、良いサッカー選手に近づくことと同じである。

 

人を知る者は智なり

自らを知る者は明なり

人に勝つ者は力有り

自らに勝つ者は強し

老子

 

自己の成長(人間力)は、サッカーにおける成長に大きく関わる構成要素である。テクニック、スピード、フィジカルよりも優先されるものであり、まずはそこの成長がなければ、他の成長もそれほど望めない。よってそれほどでもない選手となってしまう。

試合中に違いを生み出すことできる選手というのは、この部分と大きく関係している。幸いに韮高はサッカーだけをしていれば良いだけの高校ではない。意識の違いから、勝機を見いだすことのできる集団であると思っている。まずは現時点でのベストを尽くすことで、将来が開ける。