ニラニスタ発・蹴球思案処

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新人戦組み合せ

新人戦組み合せ

令和5年度県下高校サッカー新人大会のトーナメント表を見た。韮高は前年度準優勝だったので、3回戦からの登場である。日頃のトレーニングでコツコツと積み重ねてきたことしか試合にはでないので、これまでの積み重ね方がある程度わかってしまう新人戦である。どれだけ2年生の頃の積み重ねが大事であるかは、最高学年の春から目に見える形で分かってくる。1年の頃に素晴らしいと思われた選手が他の選手に追いつかれ、追い抜かれている姿があり、それ程でもなかった選手がメキメキと成長している姿が新人戦では目にする事ができる。最高学年になってからがんばろうでは、すでに大きく仲間から遅れをとっている。それはプレーでもそうであるし、信頼という面からしても同様である。競争と勝負はすでに始まっている。そして面白いほどにオフ・ザ・ピッチの姿がピッチで現れる。人間力とサッカーのプレーは連動していて、強さと弱さが目に見える形で現れてしまう。プレーそのものもそうであるけれど、オフ・ザ・ボールでの動きであったり、仲間への声かけであったり、選手の性格が見て取れる。

上手ければその選手を起用するだろうか。おそらくどの指導者の答えも「NO」であると思う。サッカーが上手いだけでは試合に出ることはできず、例え出場したとしてもチームのへの貢献度は低いと思われる。上手くなくても献身的に走ることのできる選手や、プレーでチームを引っ張ることのできるハートのある選手の方が、プラスαを期待できる。そのような面からすれば、韮高の新人戦での闘い、プレーの質、試合の内容は楽しみである。応援したくなるような選手がたくさんいることを願う。

人生と同様、サッカーもうまくいかないことの方が多い。だから新人戦もそう簡単にうまくはいかない。うまくいかない時には、これまでの苦しかった経験、辛かった経験、歯を食いしばって乗り切った経験をどのように活かすことができるかが試される。同じミスを繰り返さないというレベルのもう1つ上のレベルである。また大きな夢や目標を掲げることは、勝利を目指すサッカー選手ならば誰でもしている。大きな目標を掲げ、実現するためにやり抜く強い意志を持った選手は少ない。目に見えない強い意志は、プレーの細部に現れる。

幸いにして、新人戦が最後の大会ではない。始まりの大会でありこれからが本当の勝負なのであるから、思い切りの良いプレーができると思う。自らのもつ力を出し切る試合を期待する。次につながる試合であれば、例え負けたとしても、次につながる。