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2023 ユースリーグを振り返る

2023 ユースリーグを振り返る

 

2023山梨県ユースリーグ1部リーグの星取表から見えてくることについて、気ままに記す。

第1に、年間全18試合を戦い、総合順位が3位となった。韮高が3位となるのは2014年以来、実に9年ぶりのことである。プリンスリーグ関東に学院とVFがいるので、そのことを加味すれば素直に喜ぶには厳しい。

また3位という順位で10勝2分6敗という戦績も寂しい数字である。6敗もして3位というのは山梨県のリーグレベルがそれほどでもないという数字であり、韮高単体で見ても星を落とし過ぎた感がある(2014年は3敗)。

年間順位1位は、久ぶりに選手権に出場をする帝京三だった。戦績の数字を見ても、県代表にふさわしいと思わざるを得ない。18戦無敗であり、総得点62、失点15と、共にナンバー1の数字となった。攻撃力、守備力両方において、盤石のチームであったと言える。1発勝負の選手権予選に、リーグ戦の力が明確に反映した年であった。例年そのような年が多いことから、やはりリーグ戦を侮ることはできず、1戦1戦全力で勝負し、そこで力をつけることが全国へつながる近道であると思える。残念ながら帝三は、プリンス関東への昇格はならなかった。

 

第2に得点。韮高の総得点はリーグ6位の54得点。決めるべき時に決めきれないことは、インターハイや選手権を振り返れば、こちらもやはりリーグ戦での積み重ねの結果が出てしまったと言わざるを得ない。勝てる試合(勝たなければならない試合)に、勝ち切るという強さは日々の積み重ねでしか培われないと再確認できる。決定力という部分からしても韮高の3位は妥当である。無得点の試合数は3試合あった(帝三は0)。攻撃のパターン、バリエーションを増やすことはもちろんではあるけれど、各選手が自ら持つ攻撃のイメージ、得点のイメージを積極的に出すことで、厚みのある攻撃ができるのではと思っている。なんとなく今年のチームは攻撃に関して積極性が見られなかったような気がする。淡白な攻撃が多いイメージがある。

 

第3に失点。 失点0でクローズできることは、リーグ戦では強さを発揮する。そのしたたかさはトーナメントに直結する。点を取られなければ負けないという点からみると、韮高の失点数は33失点で3位となり(帝三15、航空22)物足りなさはぬぐい切れない。1位の帝三の倍以上の失点はがっかりする数字である。1試合平均1.83という恐ろしい数値ではなかなか上位へ勝ち進むことは難しい。よって無失点試合数も帝三は10試合(航空は7試合)あるのに対し、韮高はたったの4試合なので、こちらの面から見てもインハイ、選手権ではあのような結末となった。

 

悪い側面を振り返ると、ざっくりと東海甲府甲府工に2連敗という結果が悔やまれる。リーグ戦への臨み方、チーム的にも個人のメンタル的にも、隙と甘さがあると言わざるを得ない。

良い側面を振り返ると、年間順位が3位ということだろうか。その数字に満足することは一番怖いことであり、3位がはてして良い数字なのかという根本的な問題が湧き上がる。とはいえプリンスリーグへ少しずつ近づいている。もちろん数字だけでは分からないこと、数字には現れにくいことはたくさんある。結果に直結しない努力や積み重ねもあるかもしれない。そのような中で大切なことは、意識(モチベーション)の高さであり、前向きに取り組む姿勢である。また日々の生活、トレーニングで妥協する余地やぬるさをつくらない自らへの厳しさである。涙を流したくなかったら、汗を流すしかない。