ニラニスタ発・蹴球思案処

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ユースリーグ第10節 韮 崎-甲府商

ユースリーグ第10節 韮 崎-甲府

 

結果

8月26日 土 10:00キックオフ  長坂総合G

韮 崎 1-1(0-1)甲府

 

選手権に向けてのユースリーグが再開した。選手権に向けては、1試合1試合の全力の積み重ねしかチームの力にならない。チームのためにどれだけ走り、汗をかけるかが試される試合となる。春に2-1で勝った甲府商にどれだけ点差を広げて勝てるかが焦点となる試合だった。差が広がったのか縮まったのかがリアルに分かる試合と言ってもいい。

 

甲府商戦は、まったくもって緊張感がなく、ましてや危機感がそっくりと抜け落ちてしまっているチームとなった。もしこの試合が選手権の最後の試合だったらどうなっていたのか。そんなことさえ頭に浮かばないプレーの連続だったので、不用意なファールやありえないミスパスや、とんでもない状況判断の連続だった。連続の意味合いが悪い方の矢印を指し示してしまった。

 

甲府商にしてみれば、まずまずの手応えで、選手権では韮高には勝てると踏める試合内容と結果となってしまった。韮高を倒すことはそんなに大変な事ではなく、普通のことであるという感触を持つことのできる試合となった。甲府商に対して「韮高は強いな~」と思わせることさえできない試合となってしまったことは残念というしかない。

 

韮高は夏のやってきた成果を出せないままの(出し切っていないと思いたい)、選手権の雲行きがかなり怪しいスタートとなった。まぎれもなく、普段の積み重ねの結果であり、試合の重要さが分からない選手達だった。見ている者にとっては悲しすぎるほどのプレーで、汗ではなく涙がでた。汗は暑さから出た汗ではなく、冷や汗だった。口から出るものは歓声ではなくため息だった。

 

選手権までの季節は、負けて得ることのできるモノより、勝って得ることのできるモノの方が大きい。「あの時に負けていたから今のチームがある」という試合は夏までで打ち止めである。選手権を想定したならば、先制された後のゲームプランはどうなのか。前半での0-1、後半での0-1とでは(もちろん時間帯はあるにせよ)、気持ちの持ち方、在り方は違う。試合中でのピッチ内での修正力、声のかけ方(要求、叱咤)、状況を分析する冷静さと実行力など、負けたら終わりの想定で試合に臨まなければ、チームは成長しない。

 

なんとか同点に追いつくことはできたことは、首の皮1枚つながっているにすぎない。試合を見返してみて、失点後の選手のリアクションを観察することは興味深い。まだ下を向くには早い。気持ちが前面に出る選手が今年はいないので、そちらの方面からチームを引っ張る選手がいないことは今どうこう言っても仕方がない。自らがチームに最高に貢献できるプレーはどんなプレーかをピッチに立つ選手が考え、実行(表現)することが求められる。

選手権の闘いはまだ始まっていないのではなく、もう始まっている。