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ユースリーグ第4節 韮 崎-VF甲府ユースB

ユースリーグ第4節 韮 崎-VF甲府ユースB

 

結果

4月23日 土 14:30キックオフ 山梨学院和戸G

韮 崎 0-2(0-0)VF甲府ユースB

 

なんと表現したらよいか、結果もさることながら、内容ががっかりだった。良かったのは初めの立ち上がりだけで、残りの時間は勝利を目指して闘うチームとは程遠い情けなく、惨めなプレーの連続だった。

VF甲府ユースのトップはプリンスリーグ関東2部で闘っている。セカンドチームと県リーグで試合をするので、普通なら5-0で勝つのが相手への敬意である。韮高は劣化しているなと思っていたら、劣化どころか錆びていた。

 

はっきり言って、僕が選手でピッチに立っていたら、後ろから闘っていない選手のケツを蹴飛ばしていただろう。そんな試合だった。後ろから蹴飛ばす選手がいなかったので、無様な内容のまま醜態をさらけ出してしまった恥ずかしい試合となった。

 

試合の印象としては、「ピッチに立っている選手達は勝ちたいのだろうか?」という素朴すぎる疑問が浮かんだ。TMで鰻池先生がブツブツと念仏を唱えていることが納得できる。

0-1になっても、0-0と変わらない試合運びであり、誰1人として危機感とか切迫感だとかをプレーで表現することはなかった。0-2になってからは、暑さのせいにして、全くもって覇気はなかった。それ自体が勝利を目指すチームとして異常であり、そのチーム状況はさらに末期症状に近いといえる。流れを変えるプレーを心がける選手は、ピッチにはいなかった。流れを変えようとする声もなく、雪が降った朝のようだった。

 

思い出せば、少し前の選手権の決勝で0-1になった時の、学院の負けられないという勢いはスタジアムの観客席まで伝わってきた。0-1の同じ状況で、あのパフォーマンスでは、サッカーはただの楽しみの延長であるとしか映らない。二度と味わいたくない敗北試合を経験しているのに、この試合では技術とか難しいデータだとかが踏み込めない領域での韮高のパワー(熱源)は皆無であった。日々の積み重ねしか力にならない韮高にとって、それは致命的である。学習能力のない選手の集団では、ただの仲良しクラブで終わりである。

 

県総体前の入り方としては、近年最悪である。悲観的になるけれど、同等レベル、またはそれ以上のレベルの高校と対戦するとしたら、攻撃の形、型がない韮高にとっては、先は真っ暗である。中盤でパスがつながらない、敵陣をこじ開けるのはドリブルだけでは、期待も希望もない。VF甲府のトップではなくBチームに何もできなかったことも追い打ちをかける。

 

おそらく「悔しくて仕方がない」と思う選手はいないだろう。次の試合で改善すればいい、修正すべき点がたくさんあったと思っているだけであろう。勝負の厳しさとは程遠い地点にいる。チームとして機能していない、機能不全に陥っている韮高であることを認識すべきである。ボールを必死で追う姿はなく、がむしゃらにプレーする姿はなく、チームのために汗をかく選手の存在はなく、ボールのない時の無責任なポジショニングでは、勝利ははるか彼方である。

 

良さのない試合の良さを探すのはとても難しい。1つ良かったことと言えば、セットプレーかなんかの事故のような得点で勝ってしまったことで、選手達が勘違いしてしまわなかったことである。しっかりと先制点(流れからの得点)、ダメ押し(不用意なファールからのセットプレー)でやられた重い現実が残ったのは、良いことである。昭和の時代なら、選手達にスイッチを入れるのは簡単である。けれど時代は令和である。選手たちの心に火を灯すことは難しい作業である。馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。先輩たちが頑張った姿を目にしてきたならば、あんな試合をやるべきではではない。韮高がやるべき本来の試合とは程遠い試合だった。スタート地点にさえ立っていない厳しい現在地であるように思えた。がんばれ韮高サッカー部どころではなく、ヤバいぞ韮高サッカー部である。