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目にした記事 23-03

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山梨日日新聞 23.5.6】

羽中田さんのブログでも韮崎-学院戦がアップされていた。

5/6 サッカー観戦記! | 車椅子のサッカーコーチ&人生コーチ・羽中田昌のオフィシャルブログ (ameblo.jp)

 

まずこの試合までで確認できたことは、韮高は層が厚いということである。交代選手がスタメンと何ら遜色ない。11人で闘うというよりも、16人で1試合を闘う感じを受ける。

次に、この試合で勝つことがどれほど重要であったかが、これから痛いほど分かってくる。残念ながら現在の韮高は、痛い目にあってその重要さを痛感させられるという状況である。県総体の4強が、インターハイの組み合わせを左右し、その結果が選手権までつながる。幸か不幸か韮高はいばらの道を自ら歩むこと選択してしまった。過去何度となく痛い目に遭って、ベスト4ですらたどり着くことができない年月を重ねたのに。

そうは言うものの、下を見る必要はない。準々決勝からトーナメントで当たるかもしれない学院、航空、帝三の私学3強を倒せばいいだけであって、そのために土日の連戦を敢えて組んできた。これまでの強度ある連戦はインターハイで試される。

試合を振り返れば、やはり山梨学院の選手の方が、鍛えられていたし、勝利への執念は韮高より勝っていた。アディショナルタイムに韮高のCKが何本もあった。その1本で学院がクリアーした後の、守から攻へのトラジションは目を見張るものがあった。ゴール前からボールを掻き出した学院は、一気に韮高のゴールを目指した。その速さに韮高の選手はついていけなかった。ペナの前では韮高の守備に回る選手が多かった(5人ほどいた)のに、そこから学院の選手のスプリントはすざましく、ハーフラインを過ぎた時は、学院の選手が3人、韮高の守備は3人の同数になっていた。学院の選手と韮高の選手の距離は離れるだけだった。70m近くスプリントして、あっという間に韮高のゴール前に迫った。あのような気迫あるゴールを目指す攻撃は、現在の韮高には見ることができない。

あの試合を見て、「あれ位なら、俺の方ができる」と思った選手がたくさんいることを祈る。層が厚い韮高ならではのチーム力に期待したい。1年生が出てきても不思議でも何でもない。学年関係なくやっていける可能性を秘めた選手がたくさんいると思っている。現状維持は後退である。変化を求め、それがたとえ失敗になったとしても、変わらずにいるより潔さが残る。新人戦の決勝で延長で敗れた帝京三との差は、縮まっているのか、それとも大きく広がっているのか。これからの戦いを楽しみにしたい。

 

 

ひたすら勝利を目指してすべてを懸ける気持ちを持たずにピッチに足を踏み入れるとしたら、それはサッカーへの冒とくと言ってよい。