ニラニスタ発・蹴球思案処

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プーマカップ 第6節

プーマカップ 第6節

 

結果

3月21日 火 10:30キックオフ グリーンフィールド穂坂G

韮 崎 1-1(0-0)駒沢大高

 

 

あと1歩で勝利をものにすることができるのに、そのあと1歩が大きい。それほど悪いところも見当たらないけれど、良いところもそれほどない。今の韮高の現在地である。勝ち切れないメンタルなのか、勝ち切れない技術なのか、勝ち切れない体力なのか、中途半端に勝負できないチーム力である。負けないことは最低限で、これから先に待ち受ける大会は、勝ち切らないとトーナメントの上には登っていけない。

前半はどちらも数少ない決定機があったものの、決めきることはできなかった。どちらかというと駒沢大高のシュートの精度の低さが目立った前半だった。韮高は細かいことを言ったらキリがないので、まあこんなものかなという感じであった。

後半は、失点されるまでの試合の流れが悪かった。やや押され気味というより、状況、戦況が悪い時(時間帯)での「我慢」ができないことと、流れを断ち切るプレーやその発想が貧弱だったことで、劣勢に回る時間が多くなった。駒沢大高のシュートの精度が悪く、枠内シュートはほぼなかったことに助けられた。ずるずるとやられそうな匂いが感じられた流れが続き、悪い予感は的中し、CKから失点してしまった。CK自体が悪いわけではなく、CK前までの戦況が良くなかった。試合の流れを左右する大事な局面でのミスをしないことが、逆に得点チャンスに結びつく。大事な場面でのイージーミスや奪われ方は、致命的な結果につながるという見本のようなやられ方だった。

良かったことは、ピッチに立つ選手が追いつこうと必死になってプレーをしたことである。初めからそのような姿勢でやればいいのだけれど、ケツに火が付いたような状況にならないと、そのようになれないのは大きな問題である。交代した選手もゴールを目指したプレーをしていて、流れが韮高に傾いた。立て続けに相手ゴールに迫り、攻撃も単発で終わることはなかった。CKから追いついた。

1-1に追いついた後も、韮高の良い攻撃を見ることができた。韮高の選手は小粒で没個性的なところがある。もっと自分の持つ(眠っている)強烈な個性を出してもいいのかなと思う。サッカーにおける「個」と「組織」は対立する概念ではない。組織は、個の能力を最大限に引き出すためにあり、個の能力は組織の中で機能しなければならない。チームコンセプトからはみ出た個は、どんなに魅力的な個であろうと、サッカーというスポーツでは役に立たない。

まだまだスタメンが決定的な選手はいない。多くのチャンスが開かれている韮高サッカー部であると感じる。常に全力を尽くすことは大前提で、その状況下で何ができるかである。個の力というのは、選手の違いを生み出す最高の手段である。個の力というのは文字通り、「1人で何かができる」ということであり、「違い」が出せること、局面を打開して決定的な仕事ができることである。攻撃でも守備でも、精神的支柱になれるのはそのようなプレーをする選手であり、それが信頼度を増すことにつながる。楽しみに選手たちの成長を見たい。