ニラニスタ発・蹴球思案処

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ワールドカップから選手権

ワールドカップから選手権

 

ワールドカップの余韻冷めやらぬ日々から、選手権モードへと少しずつ切り替えようと思うこの頃である。韮高は第101回選手権大会の出場権を見事に逃した。限りなく選手権に出場できる可能性が高かった今年だったのに、県大会の決勝へ進むこともできずにはるか手前で敗れ去ってしまった。

全国を見てみると、11年ぶりに盛岡商、12年ぶりに国見、17年ぶりに成立学園と懐かしい名前が目に付いた。新興勢力著しい令和の時代にあって、オールドファン馴染みの高校を目にすると、どことなくうれしい。成立学園は監督が韮高出身の山本健二さんである。山梨学院の監督羽中田さんの2名が韮高OBとなるので、トーナメントの上に登りつめて欲しいと思っている。

創立100周年だった韮高は、いまだに県内を勝ち上がれずに、静かに眠り続けている。勝てる試合を確実にものすることができない体質は、ギリギリの試合ではほぼ勝ち切ることはできない。アルゼンチンのような勝利に対するメンタリティーが絶対的に足りていないし、甘えや隙があるプレーを1つでもするようであれば、やはり勝つことはできない。世界のトップと高校サッカーではプレーレベルは差があるかもしれないけれど、内面のサッカーに対する気持ちは同じレベルに近づくことは不可能でも何でもない。目の前の試合の勝利への飢えは、どちらも同じである。「勝ちたい」、「強くなりたい」、「負けたくない」という気持ちは、どのカテゴリーでもそれほど大差はないと思っている。

ワールドカップでは、アルゼンチンを筆頭に、どの国も敗戦レポート、総括を行うはずである。次の闘いへとつなげるために、様々な角度から敗因、失敗の原因を追究する。そのようなレポートを今後、目にする事ができる。分析の仕方を学ぶには、ためになる資料であると思う。

そのつながりで、少し前の『Sport Japan』の特集に『「失敗」を考える!「失敗」に学ぶ、スポーツの奥深さ』が載った。成功体験や成功事例の本が多い中で、「失敗学」という学問があり、敗戦や失敗をこのような角度から分析することも必要であると思われる。チームとして、個人として、分析と内省を行うことは、次につながる大きなアドバンテージとなると思う。

失敗への正しいアプローチと手法を学び、成功へとつなげたい。成功とは何かを考えた場合、まずは「高校サッカーにおける成功とは」と限定し、成功=夢、目標の実現とした時に、現時点でどのような答えを導くことができるかを自らで考えたい。ただ一生懸命に、がむしゃらにボールを蹴っているだけでは、これからは更に勝てなくなる。負けること、失敗することは尊いけれど、勝つことも、成功することも尊い