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カタールW杯 閉幕

カタールW杯 閉幕

 

4年1度のワールドカップがアルゼンチンの優勝で終わった。ブラジルかアルゼンチンのどちらかに優勝して欲しかったので、最後まで喜ぶことができた大会だった。サッカーの喜び、楽しさが凝縮されたファイナルだった。エキサイティングな試合は、もう一度見直してもその興奮は収まらない。偉大なるアルビ・セレステだった。

メッシの大会となったカタールW杯は、近年のワールドカップの中でも面白い試合が多かったように思える。個の力よりも組織化された戦術が進化した流れの中で、アルゼンチンの優勝によって別の流れができる期待も生まれる。戦術がメッシ、戦術が球際、勝利にこだわるメンタリティーが突出していた。勝利への執念は自分のためというより、メッシと一緒に優勝するためにといった雰囲気を多くの選手に感じた。35歳のメッシは16年前の2006年ドイツW杯に登場した。フリアン・アルバレスはその当時6歳。憧れのメッシとアルゼンチン代表でプレーできるとしたら、メッシの分まで走るのは当然である。そういった人選をしたスカローニ監督も偉大である。メッシと一緒にプレーしたくない選手がアルゼンチンにいるのだろうか。メッシはマラドーナと同様、神になった。ディ・ステファノ、ペレ、クライフ、マラドーナと世界でも神と呼ばれる選手の仲間入りを果たした。

86年のマラドーナ率いるアルゼンチンが優勝して以来、36年ぶりにアルゼンチンが世界一となった。前回大会ではフランスに準々決勝で3-4で敗戦。前々回大会ではドイツにファイナルで敗れた。表彰式の時、喜ぶドイツ代表を見つめているメッシを忘れることができないでいた。この大会こそやってくれると思っていたら、本当にやり遂げた。この歴史的瞬間をリアルタイムで目にできたことは、生涯の思い出となる。

アルゼンチン-フランスの決勝戦に韮高のタオマフも旅をしてきた。勝者のメンタリティーは絶対に必要である。たくさんのものをこのワールドカップからもらうことができた。サッカーの面白さを存分に味わえた大会だった。