ニラニスタ発・蹴球思案処

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インターハイ3回戦 韮 崎 - 巨 摩

インターハイ3回戦 韮 崎 - 巨 摩

 

結果

6月10日 土 10:30キックオフ 日本航空

韮 崎 4-0(2-0)巨 摩

 

韮高のインターハイが始まった。勝利に強い価値を置く大会である(勝利に価値を置かない試合があるのだろうか)。徹底的に勝利のこだわる韮高であって欲しい。世間では勝利至上主義の弊害とかデメリットばかりを目にし、耳にするけれど、目の前の試合に負けてもなんとも感じることなく、淡々としている姿の方が痛々しい。

サッカーに限らずスポーツの世界では、勝利より大切なモノがたくさんある。ただ勝利を追求せずに、勝利より大切なモノを追い求めたならば、サッカーなどしなくてもいいと僕個人は思っている。外部から勝利至上主義とまで言われようとも、勝つことに大きな価値を置いていることはそれも1つの多様性である。そして理不尽なまでに勝利を追い求める姿勢があってこそ、勝利以上に大切なモノを手にすることができると思っている。勝利以上に大切なモノは勝利を追い求めることなしに獲得は出来ない。

 

初戦は試合の入り方から始まりとても難しい。ピッチコンディション、ゲームプラン、選手起用など複合的な要素が絡み合い、予測不可能な方向へ転がっていってしまう可能性がなくはない。そのような状況もある中で、韮高はクリーンシートで初戦を突破した。多くを期待せず、試合中の出来不出来を加味せず、勝ち進んだことが良かったことである。

全国のインターハイ予選は、予想を上回るPK戦が多発している。もちろん昨年の選手権やワールドカップの流れからして、PK戦が多くなることは予測出来ている。韮高も予選すべてがPKで勝ち上がることも想定内である。それくらい組織的守備に関しては、世界的にレベルが上がり、高校サッカーにもその手法、戦術は浸透しつつある。ポジェッション率が上回っていれば勝てるというのは、ほぼ役に立たないデータになりつつあり、点を獲れないまでも獲られない闘い方ができるチームはゴロゴロしている。

 

何が起こるか分からないのがサッカーであるから、最後まで諦めないことである。試合終了のホイッスルが鳴るまでは、何が起こってもおかしくはない。強いチームと言うのは、上手い選手がたくさんいる集団ではない。自分のためより、仲間のため、チームのためにがんばれる選手がたくさんいるチームが強いといえる。心に響く試合を期待する。

 

 

 

現代のサッカーは柔軟性に関して、2つの大きな矛盾を含んでいる。

1つは、「確立されたシステムは、柔軟性を欠くと、成功の妨げになる」ことがある。

もう1つは、「確立されたシステムは、柔軟性を生み出す必要条件である」ことである。