まだまだやれるはず
せっかく素晴らしい才能を持っているのに、出し切れていない選手がいる。
人がうらやむほどのポテンシャルがあるのに、開花させることのできない選手がいる。
どうやって潜在的に持っているものを、表に出すことができるのだろうか。そのきっかけをつかむことは難しい。
能力が間違いなくあるのに、なぜ力を発揮できないのか。選手の成長を妨げているものがある場合、原因の多くは内面に潜んでいる。内面は、他人に一番見えにくい部分である。
指導者がきつい言葉をかけて目覚める選手もいれば、そのまま閉じこもってしまう選手もいる。
指導者が優しいことばをかけて、目覚める選手もいれば、何も変わらない選手もいる。
試合に出ていない選手は、自分の力を出し切っていないから出場できないと考えることもできる。試合に出ていながら、自分の力を出し切っていない選手が問題である。
選ばれたなりの能力を持つ選手が、その能力を出し切っていないというのは、選んだ指導者の信頼に応えていない。またピッチに立つことのできない仲間に対しても期待に応えていない。
指導者や仲間の目をごまかすことはできるかもしれないけれど、自分自身をごまかすことはできない。
サッカーは1人では出来ない。ピッチに立つ10人の協力と献身がなければ勝利をつかむことはできない。さらにベンチにいる選手、スタンドで見守る選手もいる。
自分を中心にして、大きく放射線状に広がる人間の輪が存在する。自分だけのことを考えれば、全てを出し切らなくても良いかもしれない。視野を広げ、周りの事が見えることができたならば、100%の力を出すことは絶対にしなければならない。また持っている以上の力を出さなければならない時もある。
全員の選手が、まだまだやれるはずである。
人間は自分のためだけにはそれほどがんばることができない。
人のためには自分のため以上にがんばることができる。
人間はそのようにできている。自分以外の人とは、一緒に苦しみを味わってきた仲間であり、どんな時も支えてくれた家族であり、応援してくれる人たちのことである。
想像力を働かせ、そのような人たちのことを考えることができたならば、まだまだやれるはずである。
あなたにできること、
あるいはできると夢見ていることがあれば、
今すぐ始めよ。
向こう見ずは天才であり、力であり、魔法である。