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第11節 ユースリーグ 韮 崎-日本航空

第11節 ユースリーグ 韮 崎-日本航空

 

結果

10月8日 土 14:30キックオフ 山梨学院和戸G

韮 崎 4-0(1-0)日本航空

 

選手権前の大切な試合だった。両チームともに選手権に向けて、やってきたことの実践と確認、そして勝ちにこだわった内容で、手応えを感じる試合を望んでいたと思う。スコアを見る限り、選手権への良い流れを作れたのは韮高だった。

対航空戦は、ユースリーグの4月の試合では、良いところを何も出すことなく、惨めに敗れていた。インターハイ予選(6月)では、その差を埋めて1-0で勝った。今シーズン3戦目の今回は、韮高が航空を突き放した格好になった。

 

前半は韮高がやや押し気味に試合を進めた。航空は韮高のゴール前にはめったに攻め入る事ができなかった。韮高は最終ライン前で、しっかりと航空の攻撃を跳ね返していた。そうは言っても韮高の攻撃は単発で、ロングスローを多用し厚みのない攻撃に見えた。どちらも点が入らない雰囲気だった。前半はシュートがどちらもなかったというくらい少なく、韮高の1点は、前半唯一の枠内シュートだったような気がする。

その1点は30分頃に後方から右サイドに展開し、そのクロスからゴール前に走り込んだ選手が2人のDFを引き付けて倒れながらフリーの選手にパス。落ち着いてゴールへ流し込んだ得点だった。前半で決定機はそれだけだったけれど、しっかりと決めきることのできるチームに仕上がっている。

後半は立ち上がりは航空がボールを大切に回してきて、試合の主導権を握っていた。10分にペナルティーエリア右よりでFKを獲得。左足で振り抜いたボールは、航空の壁の横をギリギリですり抜けて、ゴール左隅に突き刺さった。追加点を奪ってからは、航空が一気に元気がなくなってしまった。飲水前のCKから、セカンドボールをしっかりと決めきって3-0。4点目は33分に、連続するCKからショートコーナーを選択し、確実にゴールに結びつけた。

 

強豪校相手に久しぶりの複数得点だった。前半の先制点、後半早い時間帯での追加点が、試合を決定付けた。危なげのない試合であったものの、勝ったからと言ってホッとはしていられない。詰めの甘いところは随所に目に付いた。航空戦は謙虚に、たまたま点に結びついたとするならば、ゴール前の決定機をもっとつくる事が必要である。ゴール前が雑であるので、フィニッシュまでの1つ1つのプレーをもっと丁寧にする必要がある。イチかバチかのパスではなく、確率の高いパスの選択と動きは、相手DFを疲れさせる。数的有利を作り出すにはまず数的同数にする動きをしなければならないし、位置的有利、質的有利なポジションを意識しなければならない。

泣いても笑っても、手を抜いても一生懸命やっても、高校でのサッカー生活は有限である。明鏡止水の心境で選手権に臨んでもらいたい。