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県総体 準々決勝 韮 崎-駿台甲府

県総体 準々決勝 韮崎-駿台甲府

 

結果

5月5日 木 13:30キックオフ 韮崎中央公園芝生G

韮 崎 3-1(3-1)駿台甲府

 

駿台甲府に余裕なのか、やっとのことでなのか、3得点を奪い勝った。とりあえず準決勝へと勝ち進み、関東大会へあと1勝となった。

試合はキックオフ開始後すぐに動いた。駿台のクロスがオウンゴールにつながり失点。オウンゴールでなくても、駿台FWに合わされていても失点は失点なので、開始直後の最悪の立ち上がりとなった。

失点直後の韮高の攻撃からすぐに得点が生まれ、瞬く間に1-1となった。試合は落ち着きを取り戻し、韮高のペースとなっていった。飲水タイム直前のFKから追加点。その後、きれいなミドルが決まり、3-1と突き放した。ほぼ一方的な試合展開が続いた。

 

後半は前半に引き続き韮高の流れで進むものの、追加点が奪えなかった。北杜戦と同様、後半に山のような課題を残すこととなった。救いだったのは、駿台のパフォーマンスが抜群に悪かったことである。昨年のような面白いチームではなくなってしまっていて、新興勢力の高校らしい脆弱さが露呈していた。韮高サッカー部が受け継ぐ見えない力は、まだ駿台甲府にはなかった。先輩の涙や、語り継がれる昔話や、流した汗やユニホームの重みは試合の局面に現れる。

 

観戦に行った仲間の感想は、物足りなさを感じる評価だった。ベスト4に進んだ高校の中で唯一、失点しているのが韮高であり、後半に得点を奪い、息の根を止めるほどの勢いのある一方的な試合をしていないのも韮高である。意味不明な攻撃を目にするし、幼稚なサッカー観がちょこちょこと見られることもある。

今一つな韮高でも明るい兆しはある。個々の選手の中で、明らかにパフォーマンスが上がってきている選手がいることである。4月よりも上向きになっている選手を見ることができる。良い兆候であると思う。

 

準決勝の甲府商戦は昨年の同じカードである。昨年の潮目の試合を挙げるとするならば、県総体の準決勝の甲府商戦であると思われる。関東の切符を獲得し、チームを良い流れに乗せることができた。今年も同じく良い潮流に乗るためには、甲府商に勝つしかない。近い将来を大きく左右する意味のある1戦である。

 

この1戦はサッカーを楽しむことは二の次である。サッカーを本当に楽しむことは、苦しみを味わった選手しかできない。まだまだサッカーを楽しむには苦しんでいない。甲府商戦は試合を通して苦しむことである。苦しんでボールを追い、苦しんでボールを奪い、苦しんで走ることである。あと半歩よせること、あと1m前で受けること、全力で戻ること。苦しさの中に身を置き、ギリギリの自分を磨く試合となる。自分に克つことができれば、甲府商は簡単に倒すことができる。

 

 

苦しみのない栄光などない

クリスチアーノ・ロナウド