ニラニスタ発・蹴球思案処

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県総体 3回戦 韮崎-北杜

県総体 3回戦 韮崎-北杜

 

結果

5月3日 火 10:00キックオフ GF穂坂

韮 崎 5-1(5-0)北 杜

 

毎試合、毎試合、多くの課題を残す試合を続けている韮高が、またしても多くの課題を残す試合となった。前向きに考えれば、多くの課題があるということは、それだけ伸びしろがあるということができる。

ベスト8進出が決まった試合であるけれど、他校のスコアと比べれば、韮高の魚の腐った目のような試合が際立っている。3回戦の全7試合のスコアを見比べると、ライバル校は失点は0での完全試合。唯一失点したのは、次の対戦相手の駿台甲府のみ。ライバル校は前半は0-0のギリギリの闘いをして、後半で自力を発揮して勝利している。

一方で、韮高は放ったシュートが全てゴールに決まる運のよい試合展開で前半で5点を奪った。後半はスコアが示す通り0-1の内容だった。試合に臨む意気込みとか姿勢の問われる試合だったように思う。次につながる試合だったかと言えば、首一つのギリギリの状態と言えるだろう。悪くはないにせよ、良かったとは言えない。この試合が良かったと言える選手がいれば、大きく危機感を抱かない選手である。全国は果てしない夢物語となる。

 

意識的なのか、チームコンセプトなのか、ダイレクトプレーが以前の試合より数多く見られた。テンポの良いシンプルなパス回しは出来ていたように思う。左サイドからの崩しとそこからのクロスは相手を揺さぶっていて効果的だった。現に点に結びついた展開があった。それでも得点はシュートを打った選手が驚くような軌道が枠内に飛んで、たまたま(偶然)入ったような感は否めない。

5点を奪ってもなお、失点を喫してしまうところは、ちょっと情けないどころか、先を案ずると暗い影を落とす失点と言っていいだろう。前半に苦しい闘いをして後半に得点を挙げる闘いに比べると、次につながる内容はどちらが良いかは小学生でも分かる。後半に課題を残す試合は、チーム内の漂う空気が隙だらけということである。後半に追加点が奪えないことは致命的である。前半に5点を奪っているチームに後半1点も奪えないチームは、相手のメンタルを考えれば、普通に考えてヤバイ。

 

なんとかトーナメントの上に進み、生きながらえているというのが、韮高の現状である。個人的な感想であるけれど、勢いに乗る韮高とは程遠く、5月の晴れ渡る空のようなサッカーは出来ていない。試合を観た後のスッキリ感は今の韮高にはない。おそらくチーム内競争の活性化が鈍っているような感じもする。韮高には上手い選手はそれほど必要ではない。闘える選手、頼りになり信頼できる選手、そしてオシムの言う「水を運べる選手」がスタメンの優先順位である。

 

 

やる気というのは選手から生まれるものであり、それゆえ自発性、優れた学習力、さらに優れた勝利のメンタリティーは、サッカーにおいて非常に重要な才能の基準となる。