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第100回全国高校サッカー選手権大会山梨県予選  準決勝 韮 崎-日大明誠

第100回全国高校サッカー選手権大会山梨県予選 

準決勝 韮 崎-日大明誠

 

結果

10月30日(土) 13:30キックオフ JITスタジアム

韮 崎 3-2(1-1)延長(1-0)(1-1)日大明誠

 

2年ぶりの小瀬に韮高がたどり着いた。2年前と同様、対戦相手は日大明誠だった。現在の3年生が1年の時に、スタンドからその敗戦を目にしている。今度は自分たちがピッチに立って、日大明誠を倒さなければならない。同じ相手に選手権で4連続で負けるわけにはいかない。韮高の力が試される試合だった。

 

どのような展開になるかは予想が難しい試合だった。希望的には4-0での圧勝できたらと思っていた。試合は立ち上がりからどちらに転んでもおかしくはない緊張した展開になった。

立ち上がりはどちらも主導権は握れず、目まぐるしくボールが行ったり来たりの時間が続いた。試合開始6分に試合が動いた。日大明誠が韮高のDFラインをオフサイドギリギリで抜け出して独走、人数は揃っていたものの、ゴール前に走り込んだ選手に合わせられて失点。見事な日大明誠の攻撃だった。

飲水タイム後、韮高はCKから得点。課題だったセットプレーから点を決めることができた。このような状況でセットプレーから決めきれるところが、今の強さにつながっている。前半は1-1だった。

後半はフレッシュな選手を入れ変え、韮高有利にやや傾きかけたけれど、脅威を感じるほどの攻撃ができなかった。いつかは点が入るだろうという願いむなしく、0-0で延長へ突入してしまった。

延長立ち上がり早々、ロングスローから混戦となり、オウンゴールで2-1となった。韮高のロングスローは、2年前に明誠にやられた位置と同じだった。2年連続同じ選手のロングスローから失点をし、敗戦につながってしまったので、今年はそのお返しをと思っていたら、恨みを晴らすかのように明誠ゴールへボールが吸い込まれた。勢いづいた韮高が圧倒的に攻めまくるかと思われた。勝負も決まったとほぼ確信していた。ところが延長前半7分のCKから失点。2-2となってしまった。

延長後半に劇的なゴールが生まれた。PKでも仕方がないと腹をくくる時間でもあったので、そのゴールは完全に試合を決定付けた。韮高の交代カードの切り方は絶妙で、途中出場の選手がチーム全体に勢いを与えるプレーをした。少しずつ弱っていった明誠のDFだったので、3失点目は韮高のゴールへの執念と、勝利への執念が結実したと言って良い。冷静でいて熱いプレーを見ることができた。

仲間曰く、1000円ではもったいない見応えのある試合であり、元が取れた試合だった。失点0で県予選を勝ち抜く目標は達成する事ができなかったけれど、苦しみながらも韮高は決勝の舞台へ登りつめた。今年は県総体、インターハイ、関東大会と決勝でことごとく敗れ去っている。今までのタイトルを獲らなかったとしても、選手権を獲ることができれば、すべてがすべて丸く収まる。チャンスは誰にでも訪れる。そのチャンスを活かすか活かさないかはその人次第である。今までの韮高はチャンスを活かすことができないでいた。今年は違う。チャンスを活かし切る集団であり、最大限の努力で最大限の結果を得ることのできる世代であると思っている。決勝で山梨学院を倒すことのできる力は充分、兼ね備えていると確信している。

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