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目にした記事22-01 ユース開幕

目にした記事22-01 ユース開幕

 

山梨日日新聞22.4.4】

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ユースリーグの試合結果を見ようと新聞を見た。いつもなら下の方に小さく結果だけ載っているので、そちらを探したけれど見つけられなかった。良く見ると写真付きで大きく真ん中に載せられていた。韮高中心の記事はとても珍しい。

 

今年の韮高は、はっきり言って「強い」。とはいえそのように感じる世代は、何年も前にもたくさんあった。そして「強い」と感じる世代はあっけなく散っているのも事実である。負けてはいけないところで、空しく散っている感じがする。むしろ「今年はちょっと」と感じる世代は、強い世代以上の結果を残しているような気がする。このことはあくまで感覚的なものではある。選手の爆発的な力に期待する。

 

今後のサッカーの行方はどのようなものであろうか。サッカーも大きくグローバリゼーションの影響を受けている。またピッチ内で起こる現象も、映像化、数値化され、分析が徹底的に行われている。また何か1つ大きな武器(ストロングポイント)があればいいだけでは、時代遅れの選手となってしまう。もちろんそのこと自体は良いことであり否定はしないけれど、デカい、速い、強い、巧いだけでは、物足りない選手となる。

これから求められるサッカー選手像の1つとして、サッカーにおけるゲーム・インテリジェンスが必須となってくるだろう。

 

150年のサッカー史の中で、サッカーとレーニングのメソッドは、最初の100年間は技術に大きな重点が置かれていたが、1960年代にフィットネスに重点が移り、1980年代にフィットネストレーニングの波が終わると、続いて戦術に重きが置かれるようになった。今では、サッカー界はゲーム・インテリジェンスを通じて向上する流れになっている。なぜなら、この側面はこれまでないがしろにされてきたものであり、ほかの分野では非常に豊富な経験がすでに存在するからである。

 

認知能力の向上は、これからのサッカーにおいて選手を大きく伸ばすことのできるのではないか。認識、理解と解釈、意思の決定、技術の遂行は、プレー中(プレー前後)に一瞬にして行われる。これまで以上に素早い認識、素早い分析、正しい判断、素早いアクションを求められる。その認知能力のスピードが勝敗を左右するポイントとなる。

 

良い判断、良い解釈は、ゲーム・インテリジェンス=サッカーというゲームの理解力と比例する。何でもない失点は単なる集中力の欠如ではなく、そういったところから生まれる。韮高においては他校に先んじたいところである。本当の強さをリーグ戦を通じて身に付けていって欲しい。

 

 

考えなしにサッカーをプレーするのは

狙いもせずにゴールにシュートを放つようなものだ

ホルスト・ヴァイン