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新国立競技場 選手権決勝2

新国立競技場 選手権決勝2

 

新国立競技場は、高校サッカーの聖地となりえるのだろうか。100回大会を境に、昔ほど目指す価値は薄れていくのか。過去の高校サッカー選手権においては、選手なら1度はピッチに立ってみたい憧れのスタジアムだった。合言葉は「めざせ国立」だった。

国立競技場の厳かな雰囲気は、新国立競技場に受け継がれているのだろうか。新しいスタジアムをキックオフ前に逍遥した。

観客席の1層目と2層目の間に、場内を1周する電光掲示板、リボンボードが目に入った。第1回大会から99回大会までの優勝校がゆっくりと動いていた。

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スタジアムを1周。メイン、バック、ゴール裏の最上部へ行き、最前列に行き、新国立の雰囲気を味わった。外観は世界中で1つしかないスタジアムに見える。スタジアム内は残念ながら、どこにでもある没個性的な感じが否めなかった。アウェイゴール裏の入口は何とかならないものか。ゴール裏の雰囲気が全滅である。

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バックスタンド最上部に掲げられた旗。新国立はオリンピック終了後に球技専用にする計画を撤回し、陸上競技もできる現在の姿のままになってしまった。日本サッカー協会は、日本代表戦はサッカー専用でないと開催しないとしているので、ここで代表の試合を観ることは永遠にないだろう。横浜国際スタジアムもあるし、ここでやる価値はそれほどない。負のレガシーと呼ばれるようなことにはなって欲しくはない。新国立は、天皇杯と選手権だけは引き続き開催していくのだろうか。

 

記念すべき100回大会の入場アンセムは、FIFAアンセムではなく、天皇杯のアンセムだった。天皇杯のアンセムは正式には「日本サッカーの歌」であるけれど、天皇杯のイメージが強烈である。高校サッカーとはちょっと結び付かなくて混乱してしまった。勝手に入場はチャチャカチャッチャチャーチャチャチャーが良くて、表彰式にはラーラーラーラーーラーラーラーーラーララララーの方が好みである。

 

試合開始前の審判の紹介で、主審が御厨だったので驚いてしまった。10年以上前のVF甲府の選手で、Jリーガー初の審判となった人物である。

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試合開始前の校歌斉唱では、なぜか場内観客全員に起立が求められた。8年前の決勝、星稜-富山一の試合では、富山一の校歌斉唱前に多くの観客(おそらく母校の卒業生)が次々と立ち上がり、校歌を斉唱していたのが記憶に残っていた。今回は厳粛な進行だった。

応援していた大津は準優勝だった。話は前後するけれど、ピッチに立てない青森山田の部員が応援バスから降りて、スタジアムに向かっている時にちょうど一緒になった。チャラチャラしていると思っていたので、想像していたよりずっと立派だった。高校生らしいしっかりとした振る舞いだったし、集団行動の見本となる集団だった。韮高や学院の部員とは質が違っていて、青森山田の強さがそこからもにじみ出ていたように思えた。素直に青森山田は強いと認めてしまっても不思議ではない。

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節目の100回大会が終わった。キャッチフレーズにある通り、「明日へ、そして未来へ」である。