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目にした記事 選手権準決勝

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【山梨日々新聞 2021.10.31記事】

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県総体、インターハイに続き、3度目の決勝へと勝ち進んだ。今年の韮高の強みとはどのようなものかを思案した。例年の韮高と比べ、これと言ってスーパーな選手がいる訳ではない。チーム力が他チームに比べ、格段にある訳ではない。

一言でまとめると、今年の韮高の強さは「しぶとさ」にある。試合全般、細かい試合中のプレーにおいても、諦めの悪さというか、敵に何が何でも食い下がっていくしぶとさがある。そう簡単に挫けてしまうようなメンタルは誰も持ち合わせていないし、ちょっとではへこたれない強さを持っている。

監督交代という環境の変化も1つの要因である。今までと同じだったら、とっくに負けていた試合はたくさんあるような気がする。高校サッカーにおいて、選手達には監督の交代は何の責任もない。青天の霹靂のような出来事だった。環境の変化に順応し、新監督も含め良いチーム作りをしてきたと思う。チーム作りは指導者、選手の両方の力がなければ成立しない。良い監督と良い選手がいて初めてチーム力は上がる。

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「このチームは強いな」と思わせたのは、準決勝日大明誠戦が1-1のスコアでタイムアップした後である。選手がベンチ前に引き上げ、延長が始まるまでの少しの時間の韮高を見ていた時は、「この試合は勝てる」と確信できた。

監督を含めたスタッフの行動、表情、選手たちはもちろん、控えの選手たちの振る舞いは、そう簡単に負けない強いチームの姿だった。

勝敗を分ける細部はやはりピッチの外にある。昨年度の青森山田-山梨学院の延長前、ユーロの準決勝、決勝の延長前のチームの姿はそのまま結果を左右する。勝利につながる目に見えない大切なピースの1つがそこに存在し、垣間見える。

今年の韮高の強さは抽象的であり、これと言ったストロングなポイントがない。対戦相手も攻略する難しさがある。決勝もしぶとく食らいついて、勝利をたぐり寄せて欲しい。