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インターハイ決勝 韮 崎-帝京三

インターハイ決勝 韮崎-帝京三

 

6月20日(日)15:15キックオフ 

韮 崎 1-2(0-1)延長(0-0)(0-1)帝京三

 

韮高が帝京三と決勝で対戦するのはいつぶりだろうと考えたら、かなり昔まで遡らなければならない。記憶が正しかったら、全国を懸けた舞台のインターハイ、選手権での闘いは、2008年(平成8年)選手権決勝以来である。奇しくも韮高が最後の選手権を勝ち取った相手が帝京三だった。新監督となりいろいろな偶然というか巡り合わせが重なり、この試合も獲ってしまうかなと思っていた。前半に先制点を奪われ0-1で折り返した後半だった。圧倒的な空中戦の敗北、運動量の不足、球際の弱さを際立たせたとは言うものの、韮高はしぶとい闘いをしていた。韮高が交代カードを切ってきて、その選手層の厚さにワクワクした。前日に準決勝での1試合をこなした帝京三に対して、韮高はフレッシュで勢いがあった。このまま試合は終わらないだろうと思っていたら、アディショナルタイムに同点に追いついた。交代選手がしっかりと結果を残した。

延長へ突入。勝機は韮高にあった。延長前半0-0。延長後半立ち上がり直後には相手CKがあり、県総体決勝と同じシチュエーションが出現。危なげなく(?)乗り切って、免疫力を発揮した。誰もがPK突入だろうなと思っていたタイムアップ直前のセットプレーで、劇的な幕切れが待ち受けていた。韮高の得意とする時間帯別失点パターンがぴったりとはまってしまい、既定路線のような敗戦となった。

 

強い気持ちを前面に出したプレー、気持ちのこもったプレーは見ている者に感動を与える。勝ちたいという気持ち、熱いハートや魂は絶対に必要である。その一方で、冷静なメンタルも持ち合わせたい。気勢を上げてガツガツ、アグレッシブにばかりやっていては勝てない。劣勢に立たされた時、特にゴール前の守備においては「極限の状態でも落ち着いて判断できる」メンタルが必要である。少しのことでは驚かなかったり、あらゆるパターンを想定できる冷静な頭脳を持ち合わせたい。勢いだけではダメな時があること、知の部分を活用して凌ぐ術も身に付けたい。

 

負け方が負け方だっただけにショックは大きい。不幸中の幸いだったのは、高校のサッカー生活はまだ終わっていないことだ。大きな傷と引き換えに得なければいけないものは何か。記念すべき100回大会の選手権がすぐそこの近未来にある。逆算して何が足りないのか、何を身に付けるべきか、何を伸ばすのか、選手1人1人が真剣に考え、行動にすることによってのみ、結果が変わる。

 

 

 

 

【1人思案】

ユーロ2020が決勝トーナメントに入った。多くのヒントと発見と学びと感動がある試合が続く。スペイン-クロアチアの試合ではデジャブのようなシチュエーションが現れた。

 

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