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日大明誠を倒す以外に先はない

日大明誠を倒す以外に先はない

 

準決勝、日大明誠戦が今週末に行われる。僕らは日大明誠のことを知っているようで意外と知らない。知らないというよりも知らなすぎる。

現在、日大明誠は169名という山梨県最大部員数を誇り、2年前には選手権初出場を成し遂げている。韮高の部員の2倍を超える大所帯であり、私学の一大勢力を形成しつつある。もはや山梨学院や帝京三日本航空の私学の影には収まり切れない力を持っている。

相当な力を持っている日大明誠を、どこかしらそれほどでもないという感覚を心の奥底に韮高が持っているように思える。

2008年(平成20年度)に選手権に出場して以来、韮高は県予選で足元をすくわれる敗戦を重ねてきている。12年もの長い間、撃沈され続けた韮高は、全力を出し切っての敗戦というのはそれほどない。やられ方がお粗末すぎる敗戦が多すぎる。

山梨学院には初の全国制覇をした年に0-3で敗れてから、4度の敗戦を喫している。どの試合(11・15・16)も韮高の持てる力のほとんどは出し切ったと言っていい試合だった。

12年間での敗戦の内訳は、山梨学院4回が最多で、その次に負けているのが日大明誠で3回もある。12年間で学院、明誠の2校に7回も負けているのは、学院はともかく、日大明誠においては知らなすぎる敗戦である。

 

2012年 準々決勝 1-1 PK5-6

2018年 準々決勝 1-2

2019年 準決勝 2-3 (日大明誠選手権初出場)

 

日大明誠戦での敗戦は、どうしようもない失点がすべてである。味方でさえがっかりさせてしまう点の奪われ方は、救いようがなかった。いつの年代か、韮高のサブユニがピンクになった時は、日大明誠の勝ち運にすがっているようで悲しかった。

 

今年のチームは小瀬のピッチが4度目で、県内最多である。ある意味、自信につながる要因である。それでもなお、油断はできない。韮高は全国に出場して以来12年間、選手権での小瀬での勝利は2016年の1回しか勝っていない。恐ろしく震え上がる勝率である。選手権においては、過去12年間で小瀬1勝である。どれだけ勝つことが厳しく、難しいことかが分かる数字である。

 

準決勝の日大明誠戦は、とても難しい試合になる。4強の中の学院、航空よりも実力と1発勝負での勢いはあるかもしれない。過去は過去だと思っていたら間違いである。トーナメントの上に登れば登るほど、過去(伝統)の重みと重要性は増す。

自分を信じ、緑のユニホームの力を信じることである。緑のユニホームに息吹と魂を注ぐのは選手である。力強く、心に響く試合は必ずできる。自分の人生の主役になる時である。自分の夢に忠実であれば、勝つことができる。牙を剥いて全力で日大明誠に向かっていくことで、明るい兆しが見えるはずである。