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県総体準決勝 韮 崎 - 甲府商 祝関東大会出場

令和3年度 第73回県高校総体サッカー競技兼関東大会予選 準決勝

 

結果

5月12日(水) 13:30キックオフ 押原天然芝G

韮 崎 2-0(0-0) 甲府

 

関東大会出場を何気なく決めてしまった。昨年は県総体は中止となってしまった。2年前は優勝。優勝と言っても5年ぶりだった。令和の時代となり完全に新しい時代が到来した。

勝負弱い韮高をかなりの長い年月見てきたので、こんなにも簡単に関東大会の出場権を獲ってしまっていいものだろうかと、不思議に思ってしまう。あまりにも苦しむことなく関東大会出場を手に入れてしまったので、ちょっと昔を振り返る。

 

2019年(令和元年)、今の3年生の選手たちが1年生の頃は、準々決勝で山梨学院のトップを10年以上ぶりに倒した。準決勝の帝京三戦は、フリーキック1発で帝三を沈めた。決勝の航空は、試合終了間際のクロスかシュートかみたいな軌道が航空ゴールに吸い込まれた。その試合も苦しい闘いで、いつ負けてもおかしくはなかった。

 

2018年(平成30年)。準々決勝は甲府工業。韮崎中央公園Gでの試合は、2-1でリードしながら、アディショナルタイムに追いつかれ2-2。延長では先制され2-3。延長試合終了間際のラストプレーが韮高のCK。GKまで上がり、3-3になった。決めたのがなんとGKだった。PKは相手がすべて決めて3-5で負けてしまった。

 

2017年(平成29年)。準々決勝で帝京三と韮崎芝生広場Gで対戦。前半に先制点を奪い1-0で勝利まであと少しというところで、追いつかれて延長になってしまった。延長後半に追加点を奪われ1-2で敗戦。

 

2016年(平成29年)。2回戦で帝京三とGF穂坂Gで対戦。帝京三プリンスリーグ関東にいた。0-3の圧倒的な差で敗戦。わずかシュート1本に終わった屈辱的な負けだった。

 

2015年(平成28年)。準決勝で山梨学院と押原天然芝Gで対戦。韮高も近年では最高レベルの戦力だったけれど、学院の全国を狙えるメンバーの前に1-2で敗戦。

 

弱かったと言ってしまえばそれまでなのだけれど、インターハイ、選手権と出場できなくてもいいから、せめて2枠ある関東大会にはなんとか出場してほしいと願っていた、そんな時代だった。それもかなわない平成末期の時代だった。韮高も(今思えば)とても苦しい末期症状だった。勝負弱い韮高をずっと見続けてきたので、ここまで弱くなった韮高は選手のせいではないことは想像に難くない。

監督が代わっただけで、こんなにもすっと手に届いてしまう勝利が不思議でならない。勝負の行方について、勝負の神様について、また考えさせられる。

 

選手達にしてみれば、1年生の頃から負けた韮高を見る機会よりも、勝った時の韮高の印象が強いかもしれない。もちろん選手権の敗戦は特別なものだけれど、勝利の体験を味わっている数少ない年代である。その喜びをまた下の年代に教えてあげなければならない。勝つということはどういうことか、勝利の後の喜びとはどういうものなのか、韮高の緑とはどのようなものか。県総体決勝戦、小瀬のピッチに立って、思いっきり暴れてもらいたい。