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第100回全国高校サッカー選手権大会山梨県予選 準々決勝 韮 崎-駿台甲府

第100回全国高校サッカー選手権大会山梨県予選 

準々決勝 韮 崎-駿台甲府

 

結果

10月23日(土) 13:30キックオフ 韮崎中央公園芝生G

韮 崎 2-0(2-0) 駿台甲府

 

全国を見据えた闘いだったならば、首をかしげたくなるような内容だった。1つ1つ勝っていくことが大事なトーナメントという見方ならば、まあまあだったように思う。共通することは、気持ちよく勝ったという勝利ではなかったことだろう。そうかと言って後味の悪い試合ではなく、大きく課題の残る試合でもなかった。

駿台甲府という難しい相手だったので、考えれば考えるほど不安な事や気にかかることがあった。そこで一番重要となることが、自然体で試合に臨む姿勢だったような気がする。程よい緊張と程よいリラックス感があり、いつも通り自然体で試合に入ることができれば、勝利は近かった。駿台甲府は120%の力、持てる力を振り絞って韮高に向かってくる。それを受ける韮高は、いつも通りの自然な姿が必要だった。いつも通りの韮高とは、常に全力で相手を倒す、常に全力でゴールを奪う、常に全力でゴールを守る姿である。

駿台戦は、前半はそのような姿勢が見られた。2点を奪い、相手のやりたいことをほぼやらせなかった。後半は3点目、4点目を奪い、戦意喪失を狙いたかったけれど、韮高の甘さが出てしまった。

後半の流れ的には、駿台が1点を取れば分からない展開となっていった。2点をリードした韮高の優位性はそれほど感じることができなかった。僕は5点を入れて勝つと思っていたので、かなりがっかりした。シュートチャンスも決定機もワクワクするようなシーンはなかった。その要因は攻撃の仕掛けが、リスクを冒してチャレンジしなかったことある。交代選手も含め、ゴールを奪うためのチャレンジが魅力あるプレーではなかった。ゴールへの執念は感じることができなかったし、泥臭さは皆無だった。そしてできるだけ手数をかけずにフィニッシュに持ち込むシーンは見られなかった。もっとシンプルにゴールに向かう攻撃もありだと思う。もちろん2点リードはしているというアドバンテージはあった。そのアドバンテージをもっと創造性ある攻撃にできなかったのかなと思う。次を見据えて攻撃のバリエーションを封印したと思いたい。

選手権ベスト4を懸けた準々決勝で、近年稀にみるゆっくりとした観戦ができたことは、今年の韮高が強いということだろう。前年はここで負けてしまったし、その前は締まりのない隙のある試合をした。近年では盤石とは言い難いものの、最高のチーム状態の仕上がりではある。

準決勝の対戦相手は日大明誠である。一般の入場もOKとなった。韮高の強みをさらに活かすことができる。追い風を緑の風に変えて、韮高の圧倒的な強さを見せつけて欲しいと願う。