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ユースリーグ第5節 韮 崎-帝京三

ユースリーグ第5節 韮 崎-帝京三

  

結果

5月22日(土) 10:00キックオフ 帝京三

韮 崎 1-2(1-1) 帝京三

 

サッカーにつぎ込む情熱、勝利への執着心、トレーニングの質と量が、最後に現れる無惨な結末と結果だった。良い試合、内容であってもこんな結末が待っていたら、昔だったら韮高まで走って帰らされただろう。

県総体決勝、学院との試合の失点は後半開始直後と、タイムアップ前だった。帝京三戦も、めまいがするほどに、失点の仕方は自滅的だった。

GKより前線に蹴られたボールがFWにつながり、そのままゴール前まで持っていかれて、帝三に初めてのCKを与えてしまう。一度はクリアーしたボールをミドルで決められ失点。そして飲水タイム。

後半タイムアップ直前、やはりGKからのロングフィードがFWにつながり、DFが思わずファールしてPK。見事に決められ1-2となり、タイムアップ。

失点されてはいけない、一番気をつけなければいけない時間帯なので、学習能力のなさを露呈してしまった韮高だった。よくもまあ2試合続けて同じようなやられ方をして負けたものだとあきれてしまった。

立ち上がり、終了前、ベンチができることは何があるのだろうか。ピッチに立っている選手は立っているだけなのだろうか。時間帯によって闘い方を変えなければならないことを、考えていないのだろうか。指導者が変わっても、肝心の選手が変わろうとしなければ、強い韮高ははるか先である。

 

帝京三との対戦は、ユースリーグでは2015年に2勝、2016年に1勝して以来、今まで長い年月勝ったことがない。5年間勝っていない高校がいること自体、全国への道ははるか先である。新生韮高は、帝三の前では変われないままだった。圧倒的に力の差を見せつけられたりしたら、それはそれで諦めがつくけれど、失点の時間帯、やられ方のレベルが低すぎて、めまいのする試合だった。

インターハイも同じ時間帯をライバル校は全力でねらってくるだろう。究極的な時間帯での失点は、日常と情熱が現れる瞬間である。韮高の甘さと甘えの日常が突然現れ、サッカーがうまくなりたい、強くなりたいという熱量は、帝三に及びもつかなかった。

 

試合前の「おしゃー」とか吠えている表情は、1試合もたない。始めだけで燃えつき、試合が終わりに近づくと、あの闘志はどこへ行ってしまったのかと思えるくらい、サッカーの弱い高校に見える。もし試合を見る機会があるならば、やられ方をスローモーションで見て、自分たちの情けなさをしっかり見届けることをお勧めする。もちろん選手たちは負けるために試合をしている訳ではない。でも勝利を目指してやっていたサッカーでもない。