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県総体準決勝 韮 崎-甲府商 Part2

県総体準決勝 韮 崎-甲府商 Part2

 

結果

5月12日(水) 13:30キックオフ 押原天然芝G

韮 崎 2-0(0-0) 甲府

 

 

僕の中では、間違っても負けることがないだろうと思っている高校なので、韮高が愚かで自滅的な試合をしなければ、普通に勝てると長い間、思っている。とはいえ、昨年の選手権、今年の1発目のリーグ戦で恥ずかしながら、負けている相手である。どちらの敗戦も、相手が素晴らしかったのではなく、韮高がだらしがなく、隙があったから負けてしまっただけである。甲府商のリーグ戦の闘いを見ていれば、韮高よりだらしがない。トーナメントだから頑張ると言ったレベルで勢いついても所詮、勢いだけである。韮高は気負うことなくリラックスしてサッカーを愉しめば、余裕で勝てる相手である。主力が怪我で出ていないとか、今日は出ているとか、そういったチームは安定感に欠き、主力が出たとしても大した結果は望めない。そんなに簡単にサッカーは出来ていない。もちろん昭和の宿敵で良いチームではあるけれど、良いチームのままである。間違っても負けることはないと言っていながら、2回も間違ってしまったので、韮高も韮高である。

 

前半は甲府商のペースにのらりくらりと合わせてしまった韮高だった。お人好しというべきか、あんなサッカーに付き合っていたら全国は遠い先である。ソフトバレーのような軌道のボールを、どちらのDFもDF同士で蹴り合っていた。グラウンダーの鋭い足元に収まるボールは見られず、空中をボールが行ったり来たり彷徨っていた前半だった。競り合いで負け、セカンドボールも拾うことができず、どちらかというと甲府商のペースになりがちだった。

試合開始ならいいけれど、それから飲水タイムまでよくもまあ、DFの背後へふわふわしたボールを蹴り続けるなと思っていた。パスの極端に少ない試合で、バイタルエリアまでボールを運べなかった。攻撃の形が作れるはずもなく、ドリブルの単発突破だけであった。

後半は立ち上がりから韮高ペース。ビルドアップをする指示がでたのか、丁寧なプレーが見られるようになった。当然、甲府商は疲れてきて韮高との実力差が露骨に現れてきた。面白みのない試合が続き、18分CKからゴールするもノーゴールとなった。飲水タイム直後、しっかりとしたつなぎから右サイドを崩し、最後は甲府商DF2人を切り裂いてクロス。待ってましたとばかりのシュートは、左ゴール隅ギリギリに転がった。

ここからは韮高の一方的な試合運びとなり、甲府商の攻撃は簡素で怖さは微塵もなかった。完全に戦意をなくしたかのようであった。韮高は2点目、3点目を奪って試合を決定づけたかった。36分には韮高の最も得意とするパターンでの見事な得点。全国レベルのくずしとフィニッシュであった。

勝って当然の試合だったので、関東大会出場権を獲得したことは当たり前のようである。とはいえ、勝って当然の試合を昨年の選手権では、ものの見事に落としているので、韮高はどうなっているの?という感じだった。けれど今年は違う。目の前にある勝利をしっかりとつかむことのできるトレーニングとモチベーションとほどよい緊張がある。そしてやれる集団に変化をしている。決勝は山梨学院である。どんな試合をするか楽しみである。謙虚に素直に闘えば勝てる。

 

脚下照顧