たくさんのことが禁じられている世の中
ここ1年でたくさんのことが禁止される世の中となってしまった。「あれはダメ」「これはダメ」、コロナの影響はあるとはいうものの、頭の良い人間がコロナの名を借りて何かを企んでいるような気さえすることもある。第二次世界大戦前の国家のように、行動様式が変化しつつあり、過剰反応に近い行動や言動も見受けられる。
大きな声を出したり、肩を組んだり、自然発生的に体が動いてしまうことを禁じ、マスクをして静かに観戦する姿は本来の姿ではない。規模が小さな大会では観戦自体が不可となり、やっている方が悪いことをしているような隠れキリシタンのようである。
緊急事態宣言が発令されていない時期の選手権は無観客だったのに、緊急事態宣言下にFUJI XEROX SUPER CUP 2021開催が開催された。前座試合では川崎フロンターレU-18-日本高校サッカー選抜が行われた。高校選抜には選手権優勝校の山梨学院から何名かが出場していた。日本高校選抜には山梨県出身選手が2名選ばれていて、2人が同じピッチに立つ姿を見たかったのだけれど、実現することはなかった。学院の一瀬選手と市船の長田選手だったのに、地元新聞では全く触れられることはなく、ちょっと残念だった。
山梨から市船進学の高速SB長田、日本高校選抜で山梨学院勢には「負けられない」の思い持って走り、戦う | ゲキサカ (gekisaka.jp)
新人戦後、地元新聞では学院のトレーニングマッチの記事が載った。サッカー仲間から「学院と帝京の試合がある」と聞いて、僕は東京の帝京を思い浮かべた。時代は変わり、学院の対戦相手は「帝京長岡」だった。もちろん「帝京三」を思い浮かべた人がいてもおかしくはない。
韮高は現役世代の話題が少ない。そのような中でOBの話題は(もちろんOBがたくさんいるので)ちょこちょこと出てくる。
中田英寿が厳選! 今、家飲みしたい日本酒5選 (goetheweb.jp)
中田英寿が厳選! 今、家飲みしたい日本酒5選の中の1つに、七賢の「絹の味 純米大吟醸」が選ばれていた。中田のコメントが注目に値する。
Nakata’s Recommend
「実は山梨銘醸の杜氏は自分の韮崎高校サッカー部の後輩です。彼が醸す『七賢』のここ数年の品質向上は素晴らしく、辛口の中でもなめらかで上品なバランスのとれたお酒。特に『七賢』のスパークリング酒は全国トップクラスのスパークリングです」
なぜ注目するかというと、中田英寿は故郷のことについてほとんど語らず、ましてや韮高サッカー部については固く口を閉ざしているようにさえ思える。そのような過去から、七賢の杜氏を「自分の韮崎高校サッカー部の後輩です」と紹介することは大きな変化であり進歩である。
たくさんのことが禁じられている世の中で、サッカーは多くのジャーナリストが書いているように、サッカーのルール(競技規則)はたったの17条しかない。他の競技にはみることのできないシンプルなルールで、それ故に世界中の人々を熱狂させるとも言われている。
ボールを蹴るにあたり、縛られるルールは17条。厭味ったらしいルールは全くない。法律やら規制やら暗黙の禁止ルールやらがある世の中で、これほど肉体的にも精神的にも自由に表現できる場所はないかもしれない。
サッカー(フットボール)の存在感と影響は圧倒的である。もっともっと真剣に深く向かい合うだけの価値はある。