ニラニスタ発・蹴球思案処

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戦術的空白

 

戦術的空白

サッカーにおいて、攻撃と守備という2つの局面は、例えばアメリカン・フットボールや野球のようにはっきりと区切られているわけではなく、常に入れ替わりながらゲームが進んでいく。そして、プレーの展開が不安定になり、コントロールを失いやすいのは、まさにこの2つが切り替わった瞬間である。

組織的な戦術が発達し、一旦相手が守備陣形を固めてしまうとそれを崩すことが難しくなる現代サッカーでは、攻守が入れ替わる一瞬に生まれる「戦術的空白」を攻撃側がどれだけ活かせるか、そして守備側がいかにそれに対応するかが、非常に大きなテーマとなっている。

アンチェロッティの戦術ノート』より抜粋 

新型コロナウイルスの感染防止策として、山梨県内の公立の小・中学校と県立高校は臨時休校となった。この影響で部活動も自粛せざるを得ない。

なんとなく思い浮かんだことは、いつまで続くか分からないこの状況は、アンチェロッティの言う「戦術的空白」なのかなということである。戦術的空白の期間に、どのようなアクションをとるのかが、個人としてチームとして大きく今後を左右してくるのではないか。

何も考えることなく1日中ボーとしてゴロゴロしているのか、何か1冊本を読むのか、教科書をめくるのか、自主トレをするのか、きれいさっぱりサッカーを忘れてしまうのかは、個人にゆだねられる。

与えられた時間は平等である。自己実現のために時間を使うならば、しっかりとじっくりと考えなければならない。思考の幅を広げ、何をすべきか、何をしないべきかの選択をする。そうすればおのずとやるべきことに時間を使うことになるのではないか。

戦術的空白にとる行動によって、局面は大きく変わる。とてつもないアドバンテージとなるか、ビハインドとなって後で必死になるのかは、今現在のとっている行動がそのまま将来につながる。「これくらいでいい」とか「こんなものかな」と思った時点で、成長は止まる。