サッカー本 0052
『ジュニアサッカーを応援しよう』
発行所 カンゼン
2006年7月6日発行
サッカーと共に生きている人にとっては、『ジュニアサッカーを応援しよう』という雑誌は、誰もが1度は目にしたことがあるのではないだろうか。2006年6月に創刊、3月(春)、6月(夏)、9月(秋)、12月(冬)の年4冊が発刊される季刊雑誌だった。12年間続いた雑誌であったけれど、時代の流れからか、2018年12月のVol.51をもって、休刊となってしまった。
もちろんSNSでの「ジュニアサッカーを応援しよう」は引き続き、勢いを増して続いている。今の時代を考えれば、雑誌よりネットからの情報の方が、手っ取り早く、気軽さもあるので、読者には受け入れやすいかもしれない。
「幼児、小学生、中学生、コーチと保護者の情報誌」と謳っているだけあって、もっともらしいことが書いてある。あるいは、もっともらしいことしか書いてない。素晴らしく的を得た、そして情報、知識として必要としていることが載っている。
06年当時、雑誌に目を通して、夢や希望を与える内容に「なるほど」と思った。また無意識にやっているプレー(ドリブル、フェイント、トラップ、ボールタッチ)を、明確に言語化しているところがこの本の特色である。サッカーをやっている人間にしてみれば、感覚的なもの、うまく言葉に言い表せないボールタッチなんかが、サッカーを始めた子供に対して親切に解説できていて、納得する内容となっている。
数ある雑誌が時代の波と共に、出ては消えている。今となっては休刊となってしまった『ジュニアサッカーを応援しよう』の創刊号が手元に残っていて、ちょっぴりうれしい。
日本中がサッカーで世界一になることを願っているのだけれども、「ではどうすればいいのか?」という議論がない。私が一番危惧していることは、現在みんなで語り合っているサッカーは、たいてい昨日のことなのだ。
今、子供の指導に当たる方々がここで話さなければならないのは、一体明日のサッカーはどんな進化を遂げているのかということ。
イビチャ・オシム
『ジュニアサッカーを応援しよう』Vol12(2009.3)