ニラニスタ発・蹴球思案処

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大勢の心が1つになることで生まれる力

大勢の心が1つになることで生まれる力

 

大きな大会になればなるほど、ピッチに立つ11人の力だけでは、サッカーは勝てない。ユース世代、高校においては、選手権大会が最高峰の大会である。その大会において、プレ―する選手、またはベンチ、登録メンバーだけで、勝ち進むことは可能だろうか。その確率は果てしなくゼロに近い。

 

選ばれた11人を一番近くで支えているのは、同じ目標に向かって一緒にトレーニングをしている部員たちである。自分たちの代表としてピッチに送り出し、試合中は声を振り絞って背中を押す。

おそらく、プレーしている選手より、メンバーに漏れてしまった部員たちの心が1つになっているチームは、そう簡単に負けない。チームに勇気与え、気概に満ち溢れている雰囲気は、試合前に察することができる。どんなに11人が必死になって闘っても、それ以外の部員たちの心が1つになっていなかったら、1番大事なものは手に入れることはできない。

 

スタメンをあとちょっとのところで逃してしまった選手、トップチームにはいるけれど登録メンバーに入れない選手、またセカンドチームに甘んじている選手など、実際に自分自身が身をもって味わってみなければ分からない心情である。内なる葛藤はその大きさに関わらずに存在する。その時にどう感じ、どのような行動に移すかが大切である。

一時的に感情的な行動をとるのは未熟な部分があるので仕方がない。冷静になって理性的に自分のとるべき行動を考えてみると、答えが導き出されるのではないだろうか。その正解は1つしかないと思っている。

 

大勢の心が1つになって生まれる力は、そこから発生する。肉体的にも、精神的にも苦しい時に、自分よりチームのことを思える選手でありたい。その思考はチームのためであっても、必ず自分の元に最後には返ってくる。