ニラニスタ発・蹴球思案処

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芝生広場の呪縛

芝生広場の呪縛

 

韮高サッカー部の歴史的見方をするならば、現在からさかのぼって、選手権に最後に出場した2008年までを、1つの時代の区切りとして見ることができる。

選手権に出場して以来、韮高が県大会選手権決勝に勝ち進んだことは、10年間で2016年(平28)の1度しかない。

この圧倒的事実が、驚くことなのか、あるいは当然の結果として冷静に受け止めることなのかは、個々の受け止め方による。

 

県タイトル2冠を獲っている韮高の選手権が、いよいよ始まる。個人的な見どころとしては(韮高が順当に勝ち進んだと仮定して)、準々決勝の韮崎中央公園芝生広場での試合である。

なぜならば、韮高はホームである韮崎中央公園芝生広場での試合は、選手権で勝ったことがない。昨年の芝生広場での準々決勝、日大明誠の敗戦は記憶に新しい。

 

正確に言うと、1度だけ勝ったことがある。2011年(平23)の甲府東戦である。試合は延長戦にもつれ込み、試合終了間際に点を入れ劇的な勝利となった。

インターハイ、選手権において、あまりにも負の記憶が色濃い韮崎中央公園芝生広場である。おそらく多くの韮高ファンは、芝生広場での悲惨な試合しか思い出がないのではないだろうか。選手権では2018、15、10年とことごとく敗れ去っている。準決勝に進んだ2017年、決勝に進んだ2016年は芝生広場が会場ではなかった。インターハイもカウントすると、敗戦と惨敗が続く芝生広場であるので、たった1度の勝利は、記憶の中では上書きされてしまっている。

 

陸上競技場では今年の県総体、インハイと山梨学院に歴史的な勝利をあげているし、負の記憶はない。鬼門と言うには韮崎の地なので哀しすぎるし、今年こそ芝生広場の呪縛を解き放って欲しいものである。甲府商が勝ち上がってくるという予想だけれど、その甲府商こそが一番怖い。ある意味、芝生広場での勝利は歴史的瞬間と言えるので、注目すべき1戦である。

 

令和という新しい時代に突入し、伝統的な価値観は良いか悪いかは別として、薄れている。新しい時代に、新しい歴史を築いて欲しいと願う。

 

 

昔は何もなかったが、何かがあった

今は何でもあるが、何かが足りない

 

なぜ何もないのではなく、何かがあるのか