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『ザ・サッカー』

8月サッカー本
 
『ザ・サッカー』

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監 修 横森 巧
発行所 日本文芸社
1988年4月20日発行
 
『韮高サッカー部を応援するブログ』最後のサッカー本となった。このブログで紹介する本が今回で50冊目となる。キリがいいのでどの本にしようかと迷った末、恩師であり、現在でもグランドに立って最前線で活躍している横森監督の本を紹介する。
 
この本の発売は1988年(今から31年前)であり、僕らが高校生だった時の本である。この本の発売の前月の3月まで、韮崎高校サッカー部の監督だった。4月から移動になったので、発売時には正確には韮崎高校サッカー部の監督ではない。またこの本は韮崎市のニコリにある大村記念図書館にある。希少本なので、貸出禁止の本となっている。それでも図書館で手に取って読める本である。
 
本の中には、2ヶ所韮高サッカー部の写真がある。サッカー部の部員の背中が写っている。白黒だけれど、黄色のジャージの背中には「NIRASAKI SOCCER」とある。懐かしくもあり、今でも威厳を放つジャージである。緑のユニホームを着たい想いは小さい頃からとても強かった僕だった。それと同様に、黄色いジャージを着たい想いも半端なく強かった。
 
本に書いてある中で、今と変わらないものは、普遍的なものである。ルールが変わり、サッカー自体が時代と共に変わる中で、変わらないものがある。その変わらないものは、基本である。本書にある通り、「ボールコントロールとは」「キッキングについて」「ストップからトラップへ」「ドリブルについて」など、当たり前のことを再確認、再認識するには、素晴らしい本である。
 
横森監督らしさが出ている文章を抜粋する。
練習に対する姿勢を考えるとき、勝つことを考えるべきだと思うのです。いかに勝つか? それを念頭に置いて練習するかどうかで、練習の内容も当然変わります。勝ち負けを考えないと、つい適当な練習になってしまいます。勝つことを常に考えていると、1本のパス、1本のシュートの中身も自然と濃いものになるのです。
たとえ好きでサッカーをやっていても、ゲームである以上は勝たねばなりません。社会に出ても同じことだと思います。私はそう考えています。
 
サッカーの上達、個人としての成長は、グランドの練習だけではない十分ではない。求められることは多いけれど、自らが求める姿勢を今以上に強く持つことが、成長の速度を上げることになる。大村記念図書館で読んで欲しい本の1冊である。