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ヴィニシウス・ジュニオール

ヴィニシウス・ジュニオール

 

大谷翔平メジャーリーグ、甲子園、プロ野球と、テレビでは絶え間なく野球の情報が流れている。日本は今以て、野球好きの国民であり、スポーツの関心事は野球が中心である。そのような中で、昨年5月にこのブログに書こうとしていたことがあった。もちろん野球ではなくサッカーのことで、そのまま放置されていて、やはりここに書き留めておかなければならないと思い立った。

昨年5月のラ・リーガバレンシア-レアル・アドリード戦でのヴィニシ・ウスジョニオールへの執拗な人種差別である.

😔ヴィニシウスとバレンシアの観客席との対立:人種差別的な侮辱を受けて/ バレンシア対レアル・マドリード 1ー0 - YouTube

この試合はレアルが0-1で負けてしまった。おまけに感情を押さえきれないヴェニシウスは、試合の最後の最後で退場となってしまう結末だった。ラ・リーガは人種差別の巣窟と言われてしまうほど、スタジアムでの差別発言、汚い言葉、暴言が飛び交っている。このバレンシア戦の前のバルサとのクラシコ、そしてアトレチコとのマドリードダービーでもヴィニシウスへの差別チャントは執拗に行われていて、試合が中断している。ヘイトクライムをしたサポーター7人が逮捕される事態となった。なおかつゴール裏は5試合の無観客の処分となった。


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僕はレアル・マドリードというチーム自体はそれほど好きではないけれど、僕好みの選手が多くいるので、試合そのものというより、選手のプレーを見るという視点でレアルの試合は良く見る。そして僕が現在の世界の監督の中で一番リスペクトするアンチェロッティがタイミングよくレアルの監督なのもレアルの試合を見る動機となっている。アンチェロッティの静かな落ち着きの中の怒り、選手に対しての接し方とフォローは、アンチェロッティが世界トップの監督として評価されていることに納得できる。監督というより、人としての言動、振る舞いは、常に勉強になるし、僕もそうありたいと常に思わせる。


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わずか10ヶ月前に(慢性的である)人種差別のチャントや暴言が世界中を巻き込む大問題となった。そして3月2日に同じスタジアムでバレンシアとの試合が行われた。追いつく展開となった苦しい試合だったものの、ヴィニシウスの2得点でなんとかドローとなった。4試合連続ゴールを重ねているヴィニシウスは、3月27日に国際親善試合、スペイン-ブラジル戦となった。その試合前日の記者会見でヴィニシウスは涙する。


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僕らはサッカーで世界とつながっている。テニスやゴルフでは絶対に存在しないといわれる人種差別は、サッカーの世界(特にスペイン、イタリア)では根強く残っている。さかのぼればバルサエトー、ちょっと前ではイタリアでのバロッテッリ、そして現在の標的はまだ23歳のヴィニシウスである。勝った負けたの先には(奥には)、勝利より大切な何かが存在している。それを見極める自己の眼を養いたい。

 

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