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新人戦決勝 韮 崎 - 山梨学院

新人戦決勝 韮 崎 - 山梨学院

 

結果

2月10日 土 13:30キックオフ 山梨学院和戸G

韮 崎 0-3(0-2)山梨学院

 

 

1年の夏、ルーキーリーグでの対戦は1-4だった。最高学年になっての初対戦。お互いのこれまでの成長をぶつけ合う絶好の機会であった。新人戦での決勝戦は0-3という結果となった。これまで大量得点で勝ちあがってきている学院だったので、前半に2点を奪われるようなことがあると、大量失点で負けてしまうのではないかと予想を立てて観た。

試合はキックオフから圧倒的な学院ペースで試合が進んだ。想定内の状況であり、韮高が防ぐことができる攻撃だったので、押し込まれながらもなんとか凌げるだろうと思っていた。先制点は30分に練習通りの見事な3人目の追い越す動きからのサイド攻撃だった。分かっていながらも止めることができないきれいな攻撃だった。一度はシュートをブロックするも押し込まれて失点。やられても仕方のない失点だった。勢いをつけた学院は前線のプレスからボールを奪い、これもまた練習通りのクロスからドンピシャで頭で合わされて失点。この失点は1失点目直後だったので、やられてはいけない点であったと思う。韮高の選手たちのメンタルのリセットができないまま、細かい守備の修正ができないままでの悔やまれる失点である。

学院相手に2点は取れないと思っていたので、後半は何とか1点返して学院を少しでも追い込んで1-2で試合が終わることを望んでいたけれど、ハーフタイムでの学院ベンチを見ているとそんな淡い期待を打ち砕かれるようだった。学院ベンチ前で選手たちが小刻みなステップからのショートダッシュを何度も繰り返し行っていた。最高速でのダッシュはこちらまで試合への意気込みが伝わってくるようだった。「後半立ち上がりで試合を決めてこい」というようなメッセージがあり、「後半立ち上がりに決めてやる」というチーム全体の雰囲気が伝わってきた。後半は学院は120%のパワーを使って試合に入ってきた。ファーストプレーであっという間にボールを失い、コーナーキックになり、見事に一番注意をしなければならない選手に決められてしまった。試合はあれがすべてだった。学院の試合の入り方と韮高の入り方の差は歴然としていて、全国を狙うチームの気持ちの面での強さを感じた。試合の中で一番凝縮されたシーンであり、学院の勝負へのこだわりを感じることができたのはそこだったような気がする。韮高との大きな差はここくらいだった。

韮高の良かったところは、3失点目からである。3失点されて吹っ切れたのか、4、5点目を学院に与えることをせず、いつも通りの守備ができたことは、選手達の成長を感じる。心折れずに学院に全力で立ち向かったこと、ゴール前では集中力切らさずに、熱く冷静にボールを跳ね返していたことは次につながる守備ができたと思える。良い守備からしかゴールに結びつく攻撃はできないので、まだまだ組織的な守備のレベルを上げることができる。

0-3という結果もさることながら、学院に負けてくやしいというよりも、すがすがしい気持ちになった。これから選手権まで山梨学院という素晴らしいチームを倒すことができるチャンスがあることは、全国の高校でもめったにないことである。学院を倒す1つの目標があり、そのような環境でサッカーに打ち込めることはとても幸せなことであると思ってしまう。悲観することは全くなく、韮高がこういったチームを倒して欲しいな~と思ってしまった。韮高の現在地を知ることができた収穫の多い良い試合だったように思う。

 

 

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