ニラニスタ発・蹴球思案処

蹴辞逍遥・晴蹴雨蹴

第102回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会 3回戦 韮 崎-韮崎工

第102回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会 3回戦 韮崎-韮崎工

 

結果

10月21日 土 10:30キックオフ 御勅使G

韮 崎 7-0(1-0)韮崎工

 

 

選手権予選が始まり、韮高が登場した。スコアだけ見れば、大量得点の快勝で、良いスタートが切れたといったところである。実際にそうであってほしいけれど、現地で観戦した人間としては、7点を奪ったとはいえ、パッとしない試合だったように感じた。チーム状態、試合でのパフォーマンスは、それほどでもなく、これから1戦1戦上げていけば良いとは思うものの、県内を勝ち抜くには相当のパワーが必要になってくる。初戦の入り方としては「まあこんな感じかな」と締めくくってしまうと、とても危険な気がする。先行きは不安定で、この時期にきて「大丈夫か?」といったプレーや連携が目に付いた。良いプレーがあったとしても、かみ合っていないプレーの方が多すぎて、良いプレーの印象は残っていない。なんといっても攻撃のちぐはぐさは、ド素人100人の人が見ても100人が首をかしげざるを得ない攻撃だったように感じた。守から攻へのバランスの悪さからくる、中途半端な攻撃は脅威を感じられなかった。また肝心のシュートが枠に飛ばないことと、フィニッシュまでたどり着かない攻撃が多すぎたことが、パッとしない試合になってしまった。前半1-0でリードしてから追加点を奪えなかったのも、一方的な試合にならなかった要因である。実際、釜工の速攻から1-1になりそうな危ないシーンがあり、前半は気を抜けない内容になってしまった。澄み切ったきれいな秋空とは対照的に、「何やってるのかな~」といったモヤモヤ感が立ち込めた前半だった。

後半も引き続き、すっきりしないプレーが続いた。交代選手を次々と投入し、活性させようとしたけれど、釜工の体を張ったディフェンスと気持ちのこもったプレーでなかなか打開できなかった。勝機が見えたのは釜工のスタミナが落ちてきてからだった。やっとのことで追加点を奪うと、目に見える勢いで釜工の球際とプレスは弱くなり、それに加え前線にたくさんのスペースが出来始めた。釜工の強度が落ちてから、たくさんの点が入った。これははっきり言えば、点が獲れて当たり前のことであり、前半の内に息の根を止めておかなければならないことだった。

まあ前向きな見方をすれば、韮高のこういった状況の方が意外と勝ち上がれるかもしれないと思えることと、韮高の攻撃に的を絞らせない対戦相手を意識した先を見据えた闘いだったのではないかと総括することができる。しょっぱい試合ではないにせよ、盤石な試合でもなかった。メンバーどうのこうのと言うより、もっともっと勝利に対しての意欲と気持ちを前面に出すことができたのではないかと思える。『百折不撓』の祟りが吉と出るか凶とでるかは、今後の試合で証明される。