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ユースリーグ第13節 韮 崎 - 甲府工

ユースリーグ第13節 韮 崎 - 甲府

 

結果

9月16日 土 9:30キックオフ GF穂坂

韮 崎 0-1(0-0)甲府

 

選手権大会予選のカウントダウンが始まっている。3年生にとっては高校サッカーの最後の大会となる。その大会に向けて、しっかりいろいろな準備をしたい試合だった。多くを学べる試合だったことは、疑いようのない事実だろう。甲府工は良いチーム作りをしていて、加えて負けないサッカー、勝負にこだわるサッカーをする。4月にリーグ戦で負けた相手にリベンジができるかも見所だった。また選手権のことを考えなくても、プリンスリーグへの昇格を考えれば、絶対に負けてはいけない相手だった。

結果は見事に完敗。1発のミドルで韮高は沈められてしまった。この試合の見どころとしては、相手に0-1とリードされてからの韮高の内容を含めた闘い方だったと言っていい。選手権を見据えた闘いならば、失点されるというシチュエーション、リスクマネッジメントはチームで共有されているはずである。前半での0-1、後半での0-1とやられた時間帯によっても闘い方は変わってくる。

観戦に行ったサッカー仲間は、選手権前の0-1で、どのような変化(攻撃)をするのか、リスクを冒して挑むのかを見たかったと言っていた。「もったいない試合だった」と言っていた。

韮高のやろうとしているスタイルや(ポジショナル的に言うと)ゲームモデルは、どのような時でも変える必要はなく、崩す必要もない。やってきたことしかできないのだから、それは貫くことである。

現代サッカーの理論的、思想的に席巻しているのはポジショナルプレーである。その視点からアプローチすると、サッカースタイルは変えることなく、サッカーの解釈を変えることで現状が変わる。

例えば、ボール保持者から見た時、後ろの人数、前の人数が時間帯、スコアで変わってくる。またポジションではなく、「ビルドアップに参加するプレーヤー」と「相手エリアに侵入してパスを受けるプレーヤー」といった分類の仕方で、サッカー解釈をする。そうするといつものシステムや選手の立ち位置に変化が生じてくる。現代サッカーではFWの守備能力(ファーストディフェンス、プレスバック)は当たり前となってしまった。DFの攻撃参加はどうだろう。SBはもちろんCBは攻撃に参加しているのか、していたとしたらどのようにして参加しているのか。その役割(タスク)はどのようなものか。韮高の典型的な4-4-2のサッカースタイルをしているクラブは世界でも日本でもたくさん存在している。誰が出ても変わらない共通認識が統一されているように、もう一度、チームでプレー原則を確認しなければいけない。

0-1のシチュエーションは、これから1回もやってこないかもしれない。初戦から0-1のシチュエーションが続くかもしれない。失敗をするたびに1歩後退し、再び前を向いて挑戦を繰り返すことを学習と呼ぶ。まだまだ選手権までたっぷりと時間がある。あらゆる準備ができるし、何度も何度も失敗して修正して確認できる。サッカーを追求する姿勢を止めてはいけない。

 

 

幸運とは準備が機会に出会うことである

セネカ