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JFA 第22回全日本O-50 サッカー大会 優勝

JFA 第22回全日本O-50 サッカー大会 優勝

 

第22回全日本O-50サッカー大会で、山梨マスターズが優勝した。日本サッカー協会の公式大会で山梨県勢が優勝をしたことは、とてもすごいことである。サッカーが生涯スポーツとなった現在、もっと大きく取り上げられてもいいけれど、年代別のタイトルを山梨に持って帰ったことは快挙以外の何物でもない。今まで40代、60、70代と各代表は関東大会、全国大会への出場はしているものの、頂点まで登りつめたことはない。

山梨日日新聞 23.6.23・27記事】

僕も同世代の50代なので、山梨マスターズのメンバーは顔なじみであり、知っているというより、知っていなければいけないメンバーばかりである。小・中から対戦し続けた仲間がいれば、高校に一緒プレーした先輩、後輩がいる。

社会人になってからも20代、30代、40代、50代と一緒にボールを蹴ったり、ずっと敵同士だった仲間がたくさんいるので、日本一になったということは自分のことのようにうれしい。「あいつら、まだ真剣にサッカーしていて頭がおかしいぞ」と言われようと、ひたすら本気でサッカーをしてきた姿を見て、改めてサッカーというものを考えさせられた。

優勝の連絡を受け、まず思い浮かんだ言葉は孔子の言葉だった。

 

知之者不如好之者(これを知る者はこれを好む者に如かず)

好之者不如樂之者(これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)

 

天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない

 

優勝した山梨マスターズの中に同級生が2人いる。小学校からずっと敵同士で、一緒のチームでやったことはない。小学校の頃は全日本の決勝で負け、中学校では全中で負けた。中学の公式戦では1敗しかしていず、その1敗が全中だった。高校時代も選手権を持っていかれた。社会人になってからも20代からまともに勝ったことはない。2人は言葉に出さないものの、韮崎と名のつくチームだと、むきになって全力で向かってくる。大切な試合で全て負けている。その2人を長い間見ていると、サッカーが好きなのはもちろん、サッカーを楽しんでいるなと思わせるところがある。孔子の説く通り、「努力する者は楽しむ者に勝てない」と言わしめてしまう説得力がある。おそらく60代、70代とサッカーを続けると思うので、その時は僕もしっかりと準備して本気で向かって行こうと思う。

 

韮高サッカー部時代の先輩、後輩は4人が日本一メンバーとなった。もう1人サッカー部ではない韮高バスケ部の仲間もいれると韮高OBは5人となる。先輩とは強引にトレーニングに誘われるので(もちろん先輩なので断ることも出来ず)、27キロも山の中を彷徨ったこともある。40代で日本一を獲ることができず、50代に照準を合わせてトレーニングをしてきた先輩は、昨年準決勝で敗れたので今年こそと気合いが入っていた。

 

生涯スポーツの仲間入りをしてから、40代以上のサッカー人口は増えている。チーム数も格段に増え、レベルも右肩上がりである。Jリーグが誕生して30年が経つ。元Jリーガーが歳をとってもプレーすることは、とても良い環境だと思う。山梨マスターズも4人の元Jリーガーがいた。福岡ブルックス(現アビスパ福岡)、清水エスパルスヴィッセル神戸、VF甲府に在籍していた選手がいて、4人共に現在もやはり巧い。4人は残念ながら韮高サッカー部OBではないけれど、山梨のサッカーを今も盛り上げている。

現役の韮高サッカー部員のお父さんも大活躍した。その活躍がなかったら優勝できなかったと言ってよい。また現VF甲府の監督のお兄さんも優勝メンバーの1人である。世間の盛り上がりは別として、僕の中では刺激的な出来事だった。

サッカーを観る楽しさ、好きなチームを応援する楽しさに加え、サッカーをする楽しさも加えると、まだまだいろいろなことを吸収でできるし、サッカーから多くを学ぶことができる。生涯刺激的であり続けるものは、サッカーであると思える。

 

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