ニラニスタ発・蹴球思案処

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選手間の距離

選手間の距離

 

ここ何日か「選手間の距離」と「選手の距離感」について思案していた。大きな大会を直前にして、チーム全体の大きな変化はそれほど期待できない。チーム内での共有すべきことの確認、小さな修正と変化、選手の連携はチームの成熟度を深める。W杯を控えた日本代表も選手権を控えた韮高も同じである。

緊張感が高まる大事な試合では、普段のトレーニングとトレーニングマッチで試した様々なことを経験値として活かさなければならない。大事な試合で自分たちがトレーニングをしてきた状況を長く作り出すことができれば、勝利は近い。

「選手の距離感」については、スピードのある選手、そうでない選手など、それぞれ「間合い」が違う。主に相手との距離において、距離感という言葉を使う。自分の間合いを自分で理解している選手は、攻守ともに見ていて面白い。

 

「選手間の距離」については、多くを考えさせられることとなった。先日の韮高-笛吹の試合を見てから、意識して「選手間の距離」を勉強して見た。おそらく選手に「味方との良い距離を保つこと」はかなり感覚的であり、曖昧な部分がたくさんある。そこを言語化して、チームとして共有できれば、バランスの良い距離感が生まれる。守備ブロックにおけるDFとMFの距離、DFからFWのコンパクトに保つ距離、ボールホルダーに対してのサポートの距離と、チーム全体の利益を踏まえたポジショニング(立ち位置)の共有は絶対に必要である。

 

攻撃において、マークされる相手との距離も「選手間の距離」である。言語化すれば、「ゴールを奪うために1人で2人以上を困らせる立ち位置」が良い立ち位置である。具体的には「2人の相手の間」でボールを受けること(小学生の頃から言われている)を意識してプレーする事が良い選手の1つの能力である。

 

味方同士の「選手の距離」については、ボールに寄り過ぎたり、離れすぎたりしていると選手間の距離は良くない。では「選手間の距離」は何メートルが良いのかということになると、「お互いがワンタッチでプレーできるのが良い距離」であると言える。その距離をピッチにいる選手全員で良い関連性を保つことができれば、足元でもスペースでもボールを受けることが可能となる。

 

原点に立ち返り、サッカーはシンプルなスポーツだと考えるならば、やはりシンプルにプレーすることに限る。ゴールを常に意識したプレー、相手を困らせるプレー、数的優位を作り出すプレーは、逆に言えば、自分たちがやられてほしくないプレーである。シンプルなゲームゆえに、深く考えさせられるのがサッカーというスポーツである。