ニラニスタ発・蹴球思案処

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今、求められていること

今、求められていること

 

週末になると試合がある。現代ではトレーニングをしたことを週末の試合で活かすというより、試合をしてその問題点、課題点をトレーニングで修正していくといったサイクルになっているような気がする。

そのような意味において、今、求められていることは何だろうかと考えることは、成長の1歩につながる。また自分が求めることは何だろうかと考えることも、同じである。

チームとしてワンランク上に進むためには、戦術理解が必要不可欠になってくる。各々の選手が共通のイメージを持つことが重要であり、その重要度は年々増している。

ボールを奪った時、ボールを奪われた時のアクションは、現代サッカーにおいては大切な決め事となる。次のプレーを予測しながらの動きが連動していれば、チームとしてリズムが生まれよい流れとなっていく。逆に個人レベルでのリアクションならば、チームとして限界が見える。

ボールを奪った時は攻撃の始まりであり、ボールを奪われた時は守備の始まりである。その時に、求められていることを理解していて、すぐに実践できれば、チームとして機能していると言えることができる。

1ヶ月後、1年後に、何ができるようになっているか。「ある局面において、何ができて、何ができないのか」。

「できない」という部分を細かくすると、「認識」、「分析」、「決断」、「実行」となる。そのプロセスにおいて、どの部分でできなかったのかが分かる。相手が近く(遠く)にいることを「認識」できなかったのか、相手(味方)の動きを「分析」できなかったのか、パスかドリブルかの「決断」ができなかったのか、単に技術がなく「実行」できなかったのか。

本能に突き動かされるままのアクション、プレーではなく、チームが勝つために求められているアクション、プレーを意識しなければならない。

このようなスキルは、トレーニングによって習得できる。「状況判断」はトレーニングによって飛躍的に向上していく。実践に近い状況でのトレーニングで経験を積んでいくしかない。

サッカーを深く、そしてできるだけシンプルに理解することは、これからのサッカー選手に求められる。サッカーは考えるスポーツであり、より頭を使うことができれば、格上のチームにも勝つ可能性が高くなる。

「この選手は考えてプレーしているな」ということが、試合を見ている者に伝わってくるような選手になれば、よい選手である。例えそのプレーが失敗しても、やろうとしていたことが他者に伝われば、それは次につながる。監督もそういった選手を求めているはずである。