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キャプテン 小沢栄一

キャプテン 小沢栄一

 

韮高サッカー部100年の中の、ナンバー1にふさわしいキャプテンと言えば、小沢栄一の名前が挙げられる。全ての歴代キャプテンを知っているわけではないけれど、キャプテンらしいキャプテン、記憶に残るキャプテンを挙げるとしたら、やはり小沢栄一の名前を挙げる人は多い。百歩譲っても歴代ベスト3人の中に入る。

小沢栄一がキャプテンの時代は、昭和の選手権5年連続ベスト4の黄金期である。小沢栄一は、全国に名が知れわたったFW保坂、羽中田の代のキャプテンである。チームをまとめることだけでも大変なキャプテンが、特に個性の強い集団をまとめあげたことは、その人間の魅力的な部分が際立っていたからだと思われる。プレーでチームを引っ張ることはもちろん、精神的な部分から始まり、見えない大切な部分での、キャプテンシーがあったからではないだろうか。

 

最高学年での選手権決勝、清水東戦での得点は、小沢栄一が決めた。清水東の無失点優勝を阻止した1点だった。とてもすごいことなのに、あまり人々の記憶に残っていない。むしろ記憶に残っているのは、準決勝の守山戦である。試合中にPKを獲得し、そのキッカーは小沢栄一だった。そのPKをGKに阻止されてしまい、韮高は勝ち切ることができなかった。1-1のままPK戦に突入した。横森監督は1番目のキッカーに小沢栄一を指名した。そして見事にPKを成功させた。強靭なメンタルを持ち合わせている人間である。

 

若い年代になればなるほど、小沢栄一の名前は知られていない。H2O(エイチ・ツー・オー)と呼ばれ、全国に名をとどろかせた保坂、羽中田、最後の0は、小沢ではなく大柴である。強力なFWを操っていたのはもちろんMF小沢栄一だった。

横森監督に当時を振り返り「栄一には助けられた」という話を聞いた。監督に「助けられた」と言わしめる選手は滅多にいない。選手と監督からの信頼は厚く、コミュニケーション力や統率力、責任感とキャプテンとして持ち合わせなければならない多くの能力を持ち合わせていたように思える。

 

良い方向へと多くの人を導くことができる人格を持ち合わせる人間は、ほんの一握りである。小沢栄一にはそのような資質と能力がある。現在も精力的に政治活動をしている。我々はサッカーをやってきた人間として、またそれ以前に人として、そのような人間を応援することが求められる。

 


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【資料】
祝!韮崎高校サッカー部が全国インターハイ出場!36年の時を超え『現役×黄金世代』新旧キャプテン対談が実現。 #韮サカ応援企画 | にらレバ (nirasaki.fun)