ニラニスタ発・蹴球思案処

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サッカーの知 知のサッカー

サッカーの知 知のサッカー

 

フィジカルやテクニックで劣っている相手にどうやって勝つのか。サッカーはフィジカルやテクニックで勝っているチームが常に勝つわけではない。そこには知の部分が大きく関係する。世界各国のリーグやJリーグでも頭角を現し始めているイケイケのFWに対し、ベテランDFがマッチアップする。歳をとっている(ベテラン)DFは、良い意味で駆け引き、試合の流れなど、若手より大きく経験値が高い。明らかに知の部分でアドバンテージがある。そこがサッカーの奥深いところで、面白いところである。

 

スポーツ(サッカー)の知の領域は大きく3つに分類される。

・競技力を高める知

・スポーツと社会をつなげる知

・経験を通じて得られる知(創り出す知)

 

現代のスポーツ全般、特にサッカーにおいては、競技力だけではプロではもちろん、高校(ユース)世代でも限界が見えている。知的能力がなければ、チームスポーツであるサッカーは適応できない。足元が上手いだけ、フィジカルが抜きんでているだけでは、魅力ある選手に見えるけれど、薄っぺらな選手で通用しない。

 

チーム内での不安な事、個人的に壁にぶつかっていること、悩み苦しみ考えることは、「経験を通じて得られる知」となっていく。新しいこと、難しいことに挑戦した経験は、人を成長させる。いつも通りのルーティン、無難な挑戦は、必死でもがいている挑戦に比べたら、取るに足らない。

 

インターハイは、これまでの総合力が試される。サッカーによって鍛えられた、または磨かれた人間力が試される。知的能力、思考力、課題発見力はもちろん、自己管理能力が発揮される大会となる。自己管理能力とは、責任感、主体性、レジリエンスなど、自分の心と行動を管理する能力である。誰かに言われたから、監督に怒られるからなどという次元低いレベルでの行動ではない。志や使命感が突き動かす自分自身のサッカーともいえる。自分が自分であることを変えずに変化し成長し続けることである。

 

 

選手が、いつも私を助けてくれると感じている。

私が選手をサポートする以上にだ。

ペップ・グアルディオラ