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県総体決勝 韮 崎-山梨学院

令和3年度 第73回県高校総体サッカー競技兼関東大会

決勝 韮崎-山梨学院

 

結果

5月13日 金 10:00キックオフ 小瀬陸上競技

韮 崎 1-2(1-1)山梨学院



先制し追いつかれ、最後に突き放されたシンプルな試合だった。シンプルな故に、多くのものを含んだ可能性のある試合だった。個人的にはこういった試合は、時間が経てば経つほど、複雑さが入り混じった感情が湧いてくる試合となる。

 

1-2からのアディショナルタイムでの最後のワンプレーで、韮高の放ったシュートは虚しくもポストを叩き、ゴールラインを割った。ゴールキックを蹴った直後に試合終了のホイッスルが吹かれた。鳴り響くホイッスルより、ポストに当たったボールの音が耳に残っている。ゴールポストに当たった音は、競技場に響きわたった。透き通る音だった。

 

4月に開幕したユースリーグから今まで、負けてもおかしくはない試合をしてきて、最後の最後で負けてしまった。山梨県ナンバー1の座にたどり着くことはできなかった。大きな差があるのか、ちょっとした差なのかは考え方による。現段階では、決勝まで勝ち進み、関東大会の出場権を得たことが一番の収穫であると思える。

 

山梨学院と闘っても、見劣りしないチームだった。大きな差は随所に見られた。小さな差は勝敗を分けることにつながった。本当にちょっとしたことが、勝敗を分ける原因となる。やっかいなことに、ちょっとした差というのは、縮めることが一番難しい。試合の中でのちょっとした差を、これから死に物狂いで詰めていかなければならない。今のままではこれからも今のままである。選手1人1人が本気になってサッカーに取り組まないと、また涙を流すことになる。ホッとしている時間はない。

勝てない相手ではない相手に、どうやって勝つのか。韮高が進む道筋は、視界も良く開けている。監督を信じ、仲間と一緒に勝利への執着心と野心を抱いて、自らを鍛えてもらいたい。学院に敗れはしたものの、近い将来(インターハイ、選手権)に、期待できる闘い方であったと思う。

 

 

大切なのは敗れた事実よりも、

その敗戦から何を得るかだ。

サッカー界に一度も負けないチームなどないのだから、

自信を失う必要はない。

アーセン・ヴェンゲル