ニラニスタ発・蹴球思案処

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選手権開幕

選手権開幕

 

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第100回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会が始まった。台風が過ぎ去り、30度近くまで気温が上昇する夏のような1日だった。10月になったというのに南風が心地よく、秋を思わせる風情はほとんど感じられなかった。

ふと、何年か前の選手権を思い出した。夏の終わりのような暑さの中、ちょうど今日のような1日だった。韮高は見事に選手権初戦で敗退した。それも2年続けてである。この時期のバカ陽気と韮高の敗戦はなんとなく結びついてしまう。

 

【山梨日々新聞9/30記事】

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毎年、毎年、「今年こそ」と言い続けて12年。山梨県代表となった韮高は、はるか昔の記憶の片隅にさえ残っていないほどの出来事となってしまった。今年も「今年こそ」と気持ちを新たにする。例年に比べチーム状態も上向きであり、選手達の勝利への飢えは抜群である。燃えたぎる情熱を上手に変換して、プレーに活かせることができれば、勝利は近づく。状況に応じて、時には熱く、時には冷静に自己コントロールをするスキルを身に付けておくことは絶対に必要である。

 

サッカーは相手がいて成立するものであり、自分の力を振り絞ってばかりでは完璧な自己満足で終わる。状況の判断は、敵、時間帯、プレーエリアで異なってくる。クレバーな闘いができる韮高であると思っているので、試合中の小さな駆け引きを確実にものにしていくことが、最終的に大きな結果につながる。

 

例えば事前から分かっている対戦相手のシステムがある。3バックなのか4バックなのか。それに対して韮高は同じように攻撃するのか変化をつけるのか。事前知識として3バックの長所と短所、4バックの長所と短所がある。どうやってシュートまでたどり着くのか、相手の嫌がるところを突くことができるかは、即興だけでなく事前に準備ができる。もちろんチームコンセプトとも関係してくる。ミラーゲームの時や、あえてギャップを作り出すシステムもある。プレッシングのスタート位置、ラインコントロール、マンツーマンかゾーンか、個の時代から組織の中の個が重要視される現代である。サッカーの戦術論は、情熱よりロジックが支配する世界であり、思い入れよりも冷徹な統計データがモノをいう分野である。そう考えれば、やはりサッカーというスポーツは頭を使った方が勝つ。たまたまとか偶然できたプレーが、上手くいくことはほとんどない。緻密で細部にこだわった戦術と選手個々のチームへの貢献が、勝利をたぐり寄せる。

そのような意味合いでいくと、韮高は果てしなく山梨県代表に近く、山梨県代表にふさわしいと思える。やるかやらないか、やるかやられるか、0か100かの試合が始まる。苦しければ苦しいほど韮高らしさが現れる試合が始まる。

 

がんばれ韮高サッカー部