ニラニスタ発・蹴球思案処

蹴辞逍遥・晴蹴雨蹴

ラストスパート

ラストスパート

 

ラソンや受験勉強でラストスパートという言葉を耳にする。どのスポーツにおいても、最後の最後まで力を出し切れる選手でありたい。高校3年間の最後の大会である選手権が目の前に迫っている。1000日の高校サッカー生活は、2年間で730日を消費してしまう。最高学年には残された日数は270日しかない。270日というのは県代表を勝ち抜いた高校のみが活動できる日数であり、ほとんどの高校は180日程度(またはそれ以下)しか、高校サッカーをすることができない。

韮高に限って言えば、県大会の決勝まで勝ち進んだとして、210日ほどである。9月に突入してしまったので、カウントダウンが始まっていると言って良い。最終局面を迎えた時には、ラストスパートが必要となってくる。ここからのサッカーへの取り組み次第で、大きな力を生む可能性がある。

韮高は4月にラストスパートで、監督交代というギアチェンジをした。100回大会への加速である。ここまでは、良い流れを作りだしていて、選手1人1人が持っている力を開花させている。

 

中国の書物で『戦国策』という名著がある。サッカーに対しても大きな示唆を与えてくれる書物である。その中の「秦策」に名句がある。

 

百里を行く者は九十を半ばとす

 

サッカーでは、最後の最後まで何が起こるか分からないし、最後の最後に必ず何かが起こる。この言葉通り、ここまできてもまだ半分であることと、最後まで気を緩めないことと、追いつき追い越すチャンスは残されていることを心に刻まなければならない。

何よりサッカーは人間がするものなので、人間性が高い集団であれば、良い結果を残す可能性も高い。現在の状況は大きな制限がかかり、思うような活動は出来ない。1秒も無駄にできない中で、自らを自制し、思考力を上げ、良い方向へと導いていかなければならない。どの高校も不自由な境遇にある。韮高の強みをこのような状況の中で発揮することこそ、韮高の強みである。

まだラストスパートで力をつけることができるし、追い抜くこともできる。残された日々の1日1日を全力で使い果たし、自分を高めるために迷ったらチャレンジすることである。飽くなき向上心と諦めない気持ちを持ちを抱き、サッカーに打ち込んで欲しいと思う。現実と未来を見据えた時、韮高にアドバンテージがあると思っている。

 

 

翌朝、目が覚めてみたら、チームが強くなっていたということは絶対にない

反町康治