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ビエルサライン

ビエルサライン

 

サッカーとは関係ないのだけれど、杪夏(びょうか)という言葉をしみじみと感じ、過ぎ行く夏を思い返す。この夏は天気が悪い日が続き、外に出ることができなかった。座学でサッカーについて思案したことを記しておく。

 

ビエルサラインと呼ばれているラインの提唱者は、アルゼンチン人のマルセロ・ビエルサである。僕が初めて名前を知ったのは、02年日韓ワールドカップのアルゼンチン代表の監督だったことからである。結果と実績を積み重ねて、今現在は、確固たる地位を築き、ビエルサの心棒者も存在する。日本でビエルサの本がもう少し出版されればいいなと思う1人である。10年南アフリカ大会ではチリの代表監督となりさらに知名度を上げた。W杯後は日本代表の監督候補にリストアップされた。今思えば、ビエルサが日本代表の監督になっていたら、また違った方向へ日本のサッカーが進んでいたと思う。

 

そのマルセロ・ビエルサは理論家で知られる。どちらかというと、正統派というより変人、マニアっぽいところがある。そのビエルサが提唱するビエルサラインは、ビエルサラインという一般的な言葉となって今では普通に使われている。

 

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座学の勉強を兼ねて、僕が作ったビエルサライン図である。ビエルサによると、ゴールポストと直線で結んだペナルティーエリアの中でのゴール確率は85%となる。現代サッカーの85%のゴールがこのエリアで決まっているとのことである。実際、前回のW杯ロシア大会では総得点169点のうち、ビエルサライン外の得点はわずか6点にとどまっている(20ユーロもデータが出たら見てみたい)。

 

得点はどのようなエリアからの得点なのか、また失点はどのエリアからやられているのか、をマッピングすることは今後に活かせるのではないかと思う。あらゆることに取り組み、やれるべきことをやることで、勝利の確率は上がると思っている。

 

得点のチャンス、失点のシーンを俯瞰図的に頭に入れておくことは必要である。攻撃ならば、いかにしてゴールの確立を上げるか、守備ならば、失点を最小限に防ぐかの目安となる。

そしてそのエリアにいかにボールを運ぶか、または運ばせないかで、勝利が近づくのではないかと思う。

 

マルセロ・ビエルサは他にもいろいろな戦術理論を構築している。ビエルサ125パターンだとか、分析3原則とか、得点パターン11種類とか、失点7通りパターンなど、勉強をする価値がある。ポジショナルプレーというスペインの理論と並行して、南米アルゼンチン出身のエル・ロコに注目したい。今季、監督として指揮をするリーズユナイテッドの戦い方も面白そうである。

 

史上最高サッカー狂人 マルセロ・ビエルサ伝説 | プレミアリーグ専門ニュース「Football Premier」 (football-premier.com)