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新人戦準決勝 韮 崎 - 日本航空

新人戦準決勝 韮崎-日本航空

 

結果

1月31日(日) 13:00キックオフ 日本航空

韮 崎 1-3(0-0) 日本航空

 

勝てるかもしれない試合を落とした残念な試合だった。白根、甲府商と負けても不思議ではない試合をものにしてきたので、航空にも勝てるかなと思っていたら、想定内のだらしのない試合だったので、やはり負けた。

点が入る気配さえしない攻撃、あれが入ってしまうのか的な締まりのないディフェンスでは、無観客の試合で良かった。目に付く選手もいなければ、際立ったプレーもなく、新人戦の敗戦に大きな意味を持たせることさえ難しい。負けて驚くことのない静かでいて、すがすがしい敗戦であった。

 

試合は前半は0-0で折り返した。両チーム、また応援している人々は想定内であったと思われる。後半に入って、どう試合が動くかが楽しみだった。先制点は航空だった。韮高が選手交代をして先に動いた直後の失点で、韮高のミスからの意表を突くシュートだった。「えっ、今の入っちゃったの」みたいな失点で、韮高は気持ちを切り替えるしかなかった。

数分して韮高がすぐに追いついた。右サイドから切り込んで、鋭いクロスにしっかりと合わせて1-1。流れは韮高へと傾き、決定的なビックチャンスが訪れたものの決めきれなかった。

決着はセットプレーだった。CKから追加点を奪われ1-2。がっかりするような失点で、あれが守れないようでは終わったなと思えるやられ方だった。そして韮高のCKから2次攻撃をカットされてカウンター。ダメ押しの3点目となり、試合は決まってしまった。

両チーム同じくらいのCKがあり、チャンスをものした航空が勝つのは必然であり、締まりのないゆるゆるのプレーをしている韮高が負けるのも必然であった。

 

柔らかい言い方をすれば、この先どのようにも変革できるチームであり、選手個々が覚醒すれば山梨の頂点に立つことはできる。ただ、そのスイッチを誰が入れるのか、ギヤをどのように上げていくのか、向かう方向性が定まらなければ、がんばるだけ、一生懸命にプレーするだけの日々となる。あまりにも悲観者が多いのにはびっくりしたけれど、コロナの影響もあったし、これからも続くし、韮高の行く末はやりようによっては、それほどひどいものではないと思っている。楽観的に見れば、どの高校も同じであり、日々のトレーニング、トレーニングマッチを含めアプローチの仕方を考え直しているのではないかと思う。結果からみれば現時点の実力であるとはいえるものの、内容から見れば実力が発揮されたのかさえ分からないパッとしない試合になってしまった。近い将来の先行き不安な内容であったので、多くの失望があることは否定しない。手応えがないとは言っても、前を向いてやっていくしかない訳で、昨年のチームから引き継いでいる「決定力のなさ」、「勝負弱さ」という負の遺産清算するしかない。

 

清算という言葉を変えると、個人的にはチームがコロナほど感染力はないにしても、目に見えない何かに感染しているのではないかと思う。感染している「何か」は何であるのか、どうすれば治るのか、ちょっとしたことで正常な状態となるのか、大きく変えないとまともな状態に戻れないのかは分からない。

そう考えると、負け方が負け方だっただけに、とても難しいシンプルな敗戦であるように思える。