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選手権3回戦 韮 崎-都留興譲館

選手権3回戦 韮 崎-都留興譲館

 

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結果

10月24日(土)10:30キックオフ 御勅使G

韮 崎 8-0(6-0) 都留興譲館

 

韮崎高校の第99回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会の初戦だった。韮高は3回戦から登場。12年ぶりの全国を目指すべく、気持ちが入った闘いを誰もが見たかったけれど、観戦は部員と3年生の保護者だけとなった。

 

結果は8-0だった。試合を通して攻め続け、相手のシュートは前後半を通じて0だった。危なげのない試合だったと言えるものの、後半2得点に終わってしまうところに隙がある。正直言って、もし本当に選手権に行きたいのならば、10以上の得点で勝たなければいけないと思っていた。学院は隙さえ見せず、13得点で勝ち切っている。逆説めいた言い方になるものの、都留興譲館相手に10点差以上の得点を上げなければ、対戦相手に失礼に当たる。そのような意味では学院は紳士であったし、交代選手を含めチーム全員で、真剣に相手をぶちのめした。

 

ほぼハーフコートでの一方的な試合だったので、順調なスタートきれたと言える反面、さらに素晴らしいスタートをきったライバル校がいるので、先行きは不安である。甘口での評価は「まずまずの出だし」であり、辛口での評価は「中学生のようなサッカー」だった。

1番に挙げられるのは決定力不足である。シュートの総本数は分からないけれど、あれだけシュートを打って、あれだけしか点が入らないようでは、これから先の厳しい闘いでは致命的である。シュートの90%がペナルティーエリア内であり、一般的に決定機といわれる得点チャンスをことごとく逃していた。決定機、チャンスは厳しい闘いになればなるほど巡ってこない。数少ないチャンスを活かせる選手の出現の可能性は低い。1年生が何人か出たようではあるが、思い切りやフレッシュさ、ゴール前での意外性がなければ、2、3年生の経験値のあるFWの方がよっぽど良い。

2番目はパスの精度ではなく「質」である。パスの質が中学生レベルかそれ以下である。浮き球であれグラウンダーであれ、パススピードは中学生レベルであり、目が覚めるようなパスは全くなく、それ故に1本のパスで流れを変えるような状況は起こりにくかった。ピンポイントで合わせるパス、点で合わせるクロスなど、緊張感のないパスの質の悪さが際立っていた。

また試合開始早々から得点が生まれ、自分たちのリズムで試合ができたのにもかかわらず、ベンチから言われて修正するような気の緩さが気になる。ピッチ内で起こることは選手自らが状況を判断し、優先順位を決断し、実行しなければならない。何をすればベストなのか、何をしたら相手が嫌がるのか、思考の質も首をかしげざるを得ない。

 

次は準々決勝であり、対戦相手も同じ甲府商である。昨年の記憶も新しく、準々決勝で糞みたいな試合をしていると、本当に準決勝でまた負ける。勝って良かったとか、まあまあだったとか思っていたら、それまでである。「まだまだだ」と思っている選手が多くいたらまだ可能性は残されている。甲府商相手に、勝利への高い意識、そして勝つための闘いをして、圧倒的な力の差を見せつけて欲しい。

 

 

*試合後、サッカー仲間多数から9-0の情報があった。本当は8-0であり、情報源がどこかは知らないが、特にこのような情報化時代であるので、責任を持った発信しなければいけないと思う。韮高のパスの質と同様、悲しい。