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ユースリーグ 第5節 韮 崎-帝京三

ユースリーグ 第5節 韮崎-帝京三

 

結果

9月26日(土) 14:00キックオフ 帝京三

韮 崎 0-0(0-0) 帝京三

 

両校、いろいろな意味で感触と手応えをつかめる、選手権前の大切な試合だった。冷たい雨の降る中でのゲームで、帝三グランドでの試合は、毎年のように寒いイメージが付きまとう。

試合はスコアレスドロー。点は奪えなかったけれど、無失点記録を続けたことは選手権出場へ近づく大きな一歩だった。例年だと選手権前に崩れかかるか、大きく崩れてしまう試合があり、不安要素を残して選手権に突入してしまう。それが今年は安定した闘いをしている。

 

帝三がどのような戦術コンセプトを持って挑んでくるか楽しみだった。意外に思うかやっぱりと思うかは人それぞれで、僕の感想としては世界のサッカーの流れを踏襲していたので、やっぱり派になる。敵のDFの背後に蹴るサッカーと言ってしまえばそれまでではあるけれど、現代のサッカーでスペースを探すとしたら、DFの裏しかない。2015年くらいまでは中盤でスペースをつくり出すことができたけれど、ラインを高めに設定したプレッシング全盛の時代となっては、GKとDFの間の広大なスペースを活用するしかなく、敵の背後に長いパスを出すといった狙いの攻撃が目立つ。蹴ると言ってしまえばそれまでのサッカーではなく、明らかに狙いをもったプレーモデルとして確立されつつある。

サッカー仲間が「プレミアもリーガも高校サッカーみたいになってきた」と言ったのが耳に残っている。守備ブロックを形成し、アグレッシブなハイプレスを組織的に行うサッカーでは、バルサも2-8で敗れてしまう。荒っぽい言い方をすれば、ポジェッションサッカーの時代は終焉し、新しい時代に突入している。「DFの背後を制すれば試合を制することができる」とさえ言えるかもしれない。

 

夏の学院とのTMを見た時も、学院は積極的にDFの背後へのパスを意識していた。帝京三も同じである。帝三戦では決定機を何度かつくられ、ポストに助けられたりもした。そうは言っても韮高の高い位置でのプレッシングは機能しているし、ボールを失った後の守備意識は非常に高い。ただ、パスコースを限定、誘導するプレッシングなのか、ボールを奪いにいくプレッシングなのかの精度をさらに上げなければ、カウンターの餌食となる。

 

選手権は高校の集大成であり最終目標である。そしてサッカー人生では通過点である。まずは、心の整理をし、自らの現在地を再認識し、原点をしっかり見つめなおす作業が必要だろう。そうすることによって心の視野が広がるはずである。見えていなかったものが見えてくるかもしれないし、何かのきっかけが作れるかもしれない。

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